東京オリンピックで27日、体操女子団体決勝で米国のシモーネ・バイルズ選手(24)が途中棄権した。金メダルを期待されていたシモーネ選手は「メンタルヘルスを優先したい」と述べており、29日の個人総合決勝も欠場することを発表した。彼女の決断に対し、SNSでは著名人や体操選手らが称賛のコメントを送っている。
体操女子アメリカ代表のシモーネ・バイルズ選手は、2016年リオオリンピックで女子団体・個人総合・跳馬・床運動で金メダルを獲得し4冠を達成。世界体操競技選手権では史上最多となる通算25個のメダルを獲得する有力選手で、今大会でも金メダルが期待されていた。
27日の体操女子団体決勝に出場したシモーネ選手は、1種目の跳馬演技で自身の五輪成績で過去最低となる13.766を記録した。その後シモーネ選手は一旦競技場を離れたものの、チームメイトを応援するために戻り、残り3種目を棄権した。この結果、ROC(ロシア五輪委員会)が金メダルを獲得、アメリカ代表が銀、イギリス代表が銅となった。
シモーネ選手は試合後「全ての悪魔と戦って、この場所に出てきたようなもの。自分のプライドを捨てて、チームのためにやらなければならないのだから」と述べ、棄権した理由をこのように明かした。
「最終的には『自分にとって正しいことをして、メンタルヘルスと向かい合い、健康や自身のウェルビーイングを損なわないようにしなければならない』ということなのです。」
「体操が全てではありません。人生には体操以外のこともあるし、今回のことはあまり気にしていない。これからの数日間に向けて、ただひたすら気を引き締めています。」
28日には米体操連盟(USA Gymnastics)が声明を発表、