ピーターさんが「これやろうよ!」と言い出した。
リサさんは当時のことをこのように振り返っている。
「最初は反応に困りましたね。それで『やるって何を?』と聞くと、ピーターは結婚式の場面が映ったテレビを指差したんです。『結婚式をしたいの?』と尋ねると、『そうだよ』と満面の笑みで答えていました。」
この時にリサさんは、自分が妻として認識されていないことに気付いたという。結婚相手ということも忘れてしまったピーターさんだったが、それでも再び同じ人を愛することを選んだのだ。
「2回も同じ人と結婚できるなんて、私は世界中で一番ラッキーな女性だと思います。」
涙ながらにそう話すリサさんは、ウェディングプランナーである娘に相談した。そして娘が多くの人にこの話を伝えると複数の業者が協力し、リサさんとピーターさんのために無料で結婚式を準備してくれた。
「完璧な結婚式で、まるで魔法のようでした。この日ほど素晴らしい日はないと思うほどでしたよ。あんなに幸せそうなピーターを、ここしばらく見ていませんでしたね。」
愛する人と再び結婚式を挙げることができて幸せいっぱいのピーターさんだったが、症状の進行は止まらず、2回目の結婚式を挙げた記憶もすでに失ってしまっている。
それでもピーターさんは結婚式にて、リサさんの耳元で「いつもそばにいてくれてありがとう」と囁いたそうだ。またリサさんが変わっていくピーターさんの姿に涙した時には、「まだ時間はあるよ」と言って抱きしめることもあったという。
記憶を失うことにピーターさん自身も戸惑いながらも、大好きなリサさんとの時間を大切にしたいという気持ちがピーターさんの言動に繋がっているのかもしれない。
画像は『Oh Hello Alzheimer’s 2021年5月3日付Facebook「VOW RENEWAL. LIFE IS DANCE」』『Mirror 2021年6月12日付「Man with Alzheimer’s proposes to wife again because he forgot they were married」(Image: Facebook/OhHelloAlzheimers)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)