今年2月、人間の罠にかかり大怪我をして彷徨っていた子ゾウが保護された。ゾウは少しずつ人に心を開いていくも、治療の甲斐なく3週間で絶命してしまった。昨今はこのように密猟者の罠にかかる野生動物が増加傾向にあるという。『SAPeople』などが伝えている。
南アフリカ・リンポポ州のファラボルワにあるマラティニ私営動物保護区内に、国内唯一のゾウの孤児を保護する施設「HERD」がある。そこではジンバブエから救出されたゾウたちによる群れ「ジャブラニ」も敷地内にて面倒を見ており、孤児が野生に戻れると判断するとこのジャブラニの一員になる。人間だけでなくゾウもチームとして、孤児を群れの中に戻していくことが目的だ。
2月17日のこと、1頭の子ゾウが保護された。このゾウは密猟者の罠にかかってしまい、自力で罠を外したが群れから離れてしまった。保護されるまでの1~2か月間は、脱水症状により生死をさまよっていたと見られている。衰弱した子ゾウは首回りの傷口にウジがたかり、さらに喉は傷口が15センチほど開いていた。子ゾウとはいえ体重400キロもあるためうかつに近づけず、当初は子ゾウも人間に怯えていたが、チームが根気よく対応してゾウの信頼を得ていった。そしてこのゾウは、ソト語で「生存者」という意味の“フェンヤ(Fenya)”と名付けられた。
その後フェンヤは血液検査の結果が悪く、ジャブラニの雌のゾウから輸血を行った。さらにHERDの獣医師チームが点滴やサプリメントなど最善を尽くすが、