現地時間31日にベッドフォード病院に救急搬送後、2月2日に息を引き取った。肺炎の治療薬を服用していたため、新型コロナワクチンの接種はできなかったそうだ。
トムさんは1920年4月30日に英ウェスト・ヨークシャーのキースリーに生まれ、キースリー・グラマースクールを卒業後、土木技師の見習い期間を終了した。第2次世界大戦中は陸軍に従事しインドやビルマで活動した。
昨年3月、パンデミックにより医療崩壊の危機が迫る中、100歳の誕生日までに英ベッドフォードシャー州の自宅庭周辺を100周歩いて英国民保健サービス(NHS)への寄付金を募り、最終的に約3300万ポンド(約47億3千万円)という記録的な金額を集めた。100歳の誕生日には15万枚以上のバースデーカードが届き、昨年7月にはエリザベス女王からナイト爵位を授与された。
トムさんの訃報を受け、エリザベス女王の広報担当者は「女王はキャプテン・サー・トム・ムーアのご遺族に個人的な追悼メッセージを送ります」と述べ、昨年ウィンザー城の庭で行ったナイト爵位授与の式典を回想した。
「女王陛下は昨年、ウィンザーでキャプテン・サー・トムとご家族との対面を大変楽しまれました。陛下とロイヤルファミリーはご遺族に心からお悔やみ申し上げます。」
ダウニング街にある首相官邸は、英国旗を半旗にし追悼の意を表した。ボリス・ジョンソン英首相は声明で「トム・ムーアさんは真の意味でヒーローだった。第2次世界大戦中の暗黒の時代に自由を得るために戦い、我が国で戦後最悪の危機に直面する中、我々を団結させて元気づけ、人間の精神の勝利を体現した。国民のインスピレーションだけではなく、世界の希望への道しるべとなった」とトムさんの功績を称えた。
画像は『Captain Sir Tom Moore 2021年2月2日付Instagram、2020年12月31日付Instagram「‘If I’ve learned one thing from this year it’s that it is never too late to start something new and make a difference, especially if it brings light and life to people around the world’」、2020年12月11日付Instagram「Who in your family has the best Christmas jumper?」、2020年12月18日付Instagram「Enjoying a beautiful family day in the Barbados sunshine」』『The Royal Family 2021年2月2日付Instagram「The Queen is sending a private message of condolence to the family of Captain Sir Tom Moore.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)