南アフリカのケープタウンに住むイントル・ンクァィさん(Intle Nqayi)は生まれながら瞼がなく、目は皮膚で覆われている。これは潜在眼球症候群(Cryptophthalmos Syndrome)と呼ばれ、イントルさんはサングラスをかけておしゃれな姿でポーズを取っても、その自分の姿を見ることはできない。「人間らしい顔になりたい」と願うこの女性の前向きな姿勢に、多くの人が心を打たれている。『News24』が伝えた。
イントルさんの存在が世間に知られたのは、彼女の弟がきっかけだった。弟は南アフリカのアパルトヘイト後に開かれた真実和解委員会に関する映画『In My Country』(2004年公開)で牧童役に抜擢された。その際に姉であるイントルさんのことが雑誌で取り上げられ、彼女の生い立ちに心を動かされた人々が目の手術費用のため資金を募る活動を行った。集まった資金によって4歳だったイントルさんは、最初の手術を受けるためケープタウンからヨハネスブルグへ飛んだ。イントルさんの母親は目を覆っている皮膚がなければ、目が見えるようになるとずっと信じていた。当時の医師たちも、暗いものと明るいものの区別はつくだろうと望んでいた。しかし目が見えることはなく、合計7度もの手術を経てもなおイントルさんが視力を手にすることは叶わなかった。
だがイントルさんは、