ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ヘブロン県の病院で撮影された、ある男性の写真がSNSで拡散している。新型コロナウイルス感染防止のため病院への立ち入りを禁止された男性は、毎日病院の2階の窓から母を見舞い、最期を見届けたのだった。切なさ溢れるニュースを『Bored Panda』などが伝えた。
パレスチナ自治区ヘブロン県ベイトアワ在住のラズミ・サラマさん(Rasma Salama、73)が新型コロナウイルスに感染し、ヘブロンの病院に入院したのは今月12日のことだった。ラズミさんは白血病で免疫力が低下しており、感染後は病院2階にある集中治療室にて治療が続けられた。
そんなラズミさんを1人にしておけず、毎日病院にやってきたのは30歳の息子ジハード・アル=スワイティさん(Jihad Al-Suwaiti)で、雨どいのパイプを利用して病院の壁を登り、2階の窓の外から母を見舞った。
病院の関係者は「ジハードさんは母親が亡くなる16日まで毎日やってきました。そして2階の窓の外に座り、母親が眠りにつくまで見守っていたのです」と当時を振り返る。
ジハードさんの兄は「弟は末っ子で、母とはとても仲が良かったのです。15年前に父を亡くしているので余計に母が恋しかったのでしょう。見舞いを禁止されているのにもかかわらず、母が入院していた間は毎日病院へ通い続けました。母が亡くなった時の弟は、信じ難い気持ちと怒りが入り乱れていましたが、ここにきてやっと気持ちの整理がついたようです」と明かしている。
なおジハードさんが窓から母親を見つめる写真はSNSで拡散し、