「障がいはユニークな個性であり、その子の美しさである」―そんな気持ちを伝えるべく今から約5年前、アメリカに住む女性が世界に1つしかない人形を作り始めた。手作りの温かい人形にこだわり、世界中の子供たちに笑顔を届ける女性の話題を『Upworthy』『Bored Panda』などが伝えている。
米ウィスコンシン州ウォーキシャ郡ニューベルリン在住のエイミー・ジャンドリセヴィッツさん(Amy Jandrisevits、46)が、世界に1つしかないオリジナル人形「ア・ドール・ライク・ミー(A Doll Like Me)」を作り始めたのは、今から5年前のことだった。
もともと小児腫瘍科のソーシャルワーカーとして働いていたエイミーさんは、市販の人形で患者のセラピーを行っていた。しかしその人形を使って、四肢を切断した子に「あなたは手足がないけど、みんなと同じように美しいのよ」と説いても説得力がなかった。そこで裁縫が得意だったエイミーさんは、セラピー用に車椅子に乗ったり、傷や痣があったり、手足がない患者とそっくりの人形を自分で作ることにしたのだ。
そんなある日、エイミーさんは友達から「脚を切断した女の子がいるんだけど、彼女と同じように脚がない人形を作ってくれないかな」と依頼を受けた。これがエイミーさんのプロジェクト「ア・ドール・ライク・ミー(私とそっくりの人形)」の最初の作品となり、評判が評判を呼び、その後2か月間で200体の人形の注文が舞い込んできた。自宅のダイニングルームがエイミーさんの作業場になった。
エイミーさんはあくまでも手作りにこだわっており、「コンピュータで送ってもらった写真をじっくり観察し、手紙を読んでその子のことをよく知ってから手作りで制作するの。時間はかかるけど、人形には私の感情がいっぱい詰め込まれているのよ」と明かしている。ちなみにエイミーさんのSNSには、人形と一緒に微笑む子供たちの写真や動画が多数投稿されているので、そのいくつかを紹介したい。
最初の写真は顔に腫瘍があるザカリア君(Zachariah)で、ちょうどこの人形を手にした6歳頃から「自分が人とは違う」ことに気付き始めたそうだ。ザカリア君の母親は「息子は人形を自分の一部のように思っているの。一緒にいると安心するようで、とても大切にしているわ」と語っている。
2枚目はシリアの内戦で顔の左半分に火傷を負い耳を失ったジュリアちゃん(Joulia)だ。この人形を手にした時、ジュリアちゃんは困惑した様子で「どうしてこの人形は普通と違うのか?」と聞いてきたという。母親が「あなたとそっくりに作られているのよ」と説明すると、