インドネシアでは3月初旬の段階で新型コロナウイルスの感染者が確認されておらず「神の力だ」と崇める声も出ていたが、世界中の医療関係者からはPCR検査の実施数の低さが指摘されていた。その後、新型コロナウイルスは急速に拡散し、4月27日現在でインドネシア全土の感染者数は9,096人、死者は765人となった。そんな中、インドネシアのジャワ島ケプー村の一風変わった外出規制対策が注目を集めている。
ケプー村に伝承される幽霊「POCONG(ポコン/ポチョン)」に扮したボランティアが夜間パトロールし、幽霊を恐れた人々が自宅から出てくるのを防ぐという方法だ。POCONGは白いシーツのような死に装束に身を包まれ、頭と首回り、足を縛られた幽霊で、成仏できなかった魂が夜な夜な墓地を彷徨うとしてインドネシアではよく知られている。
ケプー村青年団の団長によって地元警察とボランティアの協力のもと4月初旬から始まったこの一風変わった外出規制対策は、瞬く間にソーシャルメディアに拡散され、人々の注目を浴びることとなった。
青年団団長のAnjar Pancaningtyas氏は「まず、僕らは違った形で対策したかった。また不気味で怖いPOCONGで抑止力効果を生み出したかった」と今回の試みについて明かしている。さらにケプー村の村長Priyadi氏は「地元民はいまだに新型コロナウイルスの感染防止に関して十分に理解していない」「彼らはいつも通りの生活を送りたいので、自宅待機の指示に従うのは難しい」と語る。
新型コロナウイルスの脅威への理解の浅い地元村民への外出自粛対策として、