米ニューヨーク州ブルックリン区に18棟のアパートを所有する男性が、約80室の入居者200人以上に「4月分の家賃を免除する」と宣言し、注目を浴びている。男性は「今はみんなの健康が一番大切。家族や愛する人の心配をして!」と語っており、「彼こそヒーロー」との声があがっている。
新型コロナウイルス(COVET-19)の感染拡大により、アメリカの失業保険申請は先月15日から2週間で1000万件に達するなど過去最悪を記録している。ロックダウン(都市封鎖)により外出が制限され、ホテルや飲食店、小売業など仕事をしたくてもできない人が次々と解雇され、多くの人が経済的に困窮する事態になっているのだ。
そんななか、米国内でも最も感染者数が多いニューヨーク州に住む男性が先月30日、ブルックリン区に所有する18棟のアパートの入り口に、次のような貼り紙をした。
「COVID-19のパンデミック(世界的大流行)により、私たちみんなが影響を受けている。このため私は、2020年4月分の家賃を免除することとした。どうか無事で、隣人を助け、手を洗って欲しい…。ありがとう、マリオより」
ニューヨーク市ブルックリン区ウィリアムズバーグからグリーンポイント一帯に、個人経営の店舗を含む18棟のアパートを所有しているのはマリオ・サレルノさん(Mario Salerno、59)で、約80室の入居者(テナント)は200人を超える。マリオさんはウィリアムズバーグで生まれ、父親が1959年に始めた自動車修理店「Salerno Auto Body Shop」とガソリンスタンドを受け継いで財を成した。
『NBC New York』のインタビューに応じたマリオさんは、