トマトは家の温室(グリーンハウス)で自家栽培したものだ。
スティーブンさんには8歳の頃、テレージエンシュタット強制収容所で囚人男性が栽培するトマトの水やりを手伝った思い出がある。男性はある日ポーランドの収容所へ送られることになり、スティーブンさんにトマトの世話を任せた。解放後もスティーブンさんは75年間自宅でトマトを育て続け、水やりをするたびに男性のことを思い出すという。
もう1枚の写真では、ドイツ生まれのイヴォンヌ・バーンスタインさんが孫のクロエさん(11)にユダヤ人(Jewish)であることを示す“J”のスタンプが押されたドイツの身分証明書を見せている。イヴォンヌさんは子供の頃、ナチスから逃れるためフランスへと渡った。イギリスで仕事をする父母に会いに行こうとしたが戦争が勃発し、叔父と叔母に引き取られたという。
国際ホロコースト記念日75年になる今回のプロジェクトは、英紙ジューイッシュ・ニュースのジャスティン・コーエン氏が考案した。ホロコーストの犠牲者に敬意を表するとともに、生存者が英国で築き上げた生命を祝うことを目的とする。プロジェクトでは生存者達が、キャサリン妃の撮影した2枚を含む合計75枚の写真に収められた。これらの写真は英国内の展示会で今年中に公開される予定とのことだ。
画像は『Kensington Palace 2020年1月27日付Instagram「As part of the commemorations for the 75th anniversary of the end of the Holocaust, The Duchess of Cambridge has taken photographs of two Holocaust survivors with their grandchildren.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)