殺害の依頼を受けた殺し屋が下請けの殺し屋へ依頼し、またさらに下請けへといった多重下請けが行われたことで殺人の計画が警察の耳に入り、5人の殺し屋と殺害を依頼した男が逮捕され、最近の裁判で有罪判決が下された。中国で発生したまるでコメディーのような事件だが、命を狙われた本人は笑い事で済ますわけにはいかなかったようだ。『ABC中文』『Metro』『BBC News』などが伝えている。
2013年に中国の不動産開発業者のタン・ヨウフェイ(Tan Youhui)は、ライバル会社と法的な紛争があり、裁判で大きな損失が出ることを恐れていた。そしてタンは紛争の相手であるウェイ・モウ氏(Wei Mou)の殺害を決意し、殺し屋のシー・グワンアン(Xi Guangan)に200万元(約3070万円)でウェイ氏の殺害を依頼した。
ところが殺し屋のシーは自分の手を汚さず、ウェイ氏の殺害を別の殺し屋であるモ・テンシャン(Mo Tianxiang)に100万元(約1540万円)で依頼した。するとモは別の殺し屋ヤン・カンション(Yang Kangsheng)に27万元(約415万円)で依頼し、さらにヤン・カンションはヤン・グワンション(Yang Guangsheng)に20万元(約307万円)、そして最終的にリン・シェンスー(Ling Xiansi)に依頼され、リンは10万元(約154万円)で殺害を引き受けることとなった。
なんとも複雑な話だが殺し屋が下請けを雇い、多重下請けで5人の殺し屋がウェイ氏の殺害に関与することとなった。しかし最終下請けとして殺害の依頼を受けたリンは、