セ・リーグは読売ジャイアンツ、パ・リーグは埼玉西武ライオンズが優勝を決めた今年のプロ野球。この後はクライマックスシリーズ、日本シリーズとファン待望の熱戦が繰り広げられる。選手の個人タイトルも気になる時期であるが、守備が優れている選手に贈られるタイトルにゴールデングラブ賞がある。この金色のグラブ型トロフィーのこだわりぶりが半端ない。
まず「ゴールデングラブ賞」の名称だが正式には「三井ゴールデン・グラブ賞」という。1972年に「ダイヤモンドグラブ賞」としてスタートし、1986年に「三井ゴールデン・グラブ賞」という現在の名称に改名、今年で第48回を迎える半世紀近く続く歴史ある賞なのだ。同賞は守備に重点を置いているのが特徴で、卓越した守備によりチームに貢献し、プロの技術を発揮したプレーを基準として選出された「守備のベストナイン」を表彰するものだ。セ・パ両リーグからポジション別に選出されるため、通常18名が受賞する。海外で活躍している印象の強いイチローやダルビッシュ有、田中将大も日本でプレーしていた時代に受賞している。
同賞と言えば、その名前の通り、金色のグラブ型トロフィーを思い出す人もいるだろう。この金色に輝くグラブはどの選手も同じではなく、受賞者が決まってから各選手が愛用するグラブをかたどり、金色になめした皮革を用いて職人の手でひとつひとつ作られたこだわりの逸品。毎年約3週間かけて制作されているが、金色になめした皮革の質感にも妥協せず、小さな傷も見落とさないよう慎重にチェックしているため、