ピコ太郎が『PIKO 10 PROJECT』として6月16日から順次YouTubeにアップしてきた10本の動画のラストは、お盆の真っただ中8月14日に公開された『Everyone must die』だった。2016年8月に公開した『PPAP』が世界的な大ヒットとなり、海外でも「Pen-Pineapple-Apple-Pen」の歌手・ピコ太郎が新曲を出したと注目を集めている。ただ、シンプルに捉えると「皆生まれて、そして死ぬ」という歌詞だけに楽しめない人もいるようだ。
まずはピコ太郎が『PIKO 10 PROJECT』の1曲目を『PPAPA 完PAPA宣言』ではじめているのに目を向けたい。さだまさしの名曲『関白宣言』のメロディーに乗せて、お母さんのお腹のなかにいる赤ちゃんが語りかけるという趣向だ。彼はこのプロジェクトを「誕生」をテーマにした楽曲からスタートしたかったのだろう。
2曲目から9曲目までは個性的でピコ太郎らしいエンターテインメント性に溢れた楽曲が並び、それぞれに面白い。そしてラストを渾身の『Everyone must die』により「人は生まれて、死ぬ」というテーマで閉じたのである。テクノパンクとも言える同曲はサカナクションや電気グルーヴとの近似性すら感じさせるほど斬新な作品だ。
そのため世間の関心はどうしても『Everyone must die』に向けられがちだが、『PPAPA 完PAPA宣言』からの流れで聴くとより「人生の始まりと終わり」を表現したコンセプトが見えてくる。
実際『Everyone must die』については、