昨今、日本でも「アシッドアタック」という言葉を耳にするようになったが、これは塩酸や硫酸などを使った他人への酸攻撃のことを言う。このほどインドで、生後まもなくして父親から酸攻撃を受けた女性が今は幸せに過ごしているという話題が届いた。『Mirror』などが伝えている。
インドのマハーラーシュトラ州ムンバイに住むアンモル・ロドリゴウスさん(Anmol Rodrigous、23)は生後2か月の頃、母親の母乳を飲んでいる時に突然、実の父親から酸を母親もろともかけられた。
すぐさま近所の人が気付いて2人を病院に連れて行ったが、残念ながら母親は大量の酸を浴びて大火傷を負い亡くなってしまった。アンモルさんはかろうじて命を取りとめたものの、顔から首、胸や腕など溶けたように火傷を負い左目は失明してしまった。
アンモルさんの父親は当時、「娘でなく息子が欲しかった」という理由で酸攻撃を仕掛けたという。それからアンモルさんは5年間、病院で治療を受けながら過ごした。幸いだったのは、病院の医師や看護師らが彼女の治療費や薬代を補ってくれたことだった。
ほぼ火傷が治癒した後、アンモルさんは病院が取り次いでくれた孤児院に引き取られ、そこで他の孤児達と暮らすことになった。アンモルさんはその時、初めて自分が他の子供達と違うことに気付いたという。現在23歳になった彼女は、このように振り返っている。
「病院にいた当時、私は幼すぎて自分の見た目が他の人と違う理由を気にしたことがありませんでした。だけど孤児院に来て、初めてそれに気づいたのです。誰も私を嫌うことはありませんでしたが、はじめは私の顔を見て怖がっていました。」
「時が経つにつれて、私には多くの友達ができました。しかし孤児院の外となると、それは困難を極めました。大学の成績は非常に良かったのですが友達はいませんでした。いつも孤独で、ランチも一人で食べて誰とも会話もしなかったのです。」
アンモルさんは2年前に大学を卒業したと同時に孤児院を出て、