リアム君をソファーに放置したまま他の子供たちを学校に迎えに行くため車で外出した。その後、リアム君は病院へ搬送されたが死亡が確認された。検死の結果、リアム君は極度の栄養失調に陥っていたことが判明した。死亡時、リアム君の体重は6歳男児の平均体重の3分の1ほどの7.7kgしかなかった。またその際にリアム君が着せられていた上着は、生後12か月の赤ちゃん用のものだったと警察が発表している。
逮捕されたマイケルとジョージーナは、2件の子供を危険に晒した罪で起訴されたが、後に第一級殺人罪に切り替わった。取り調べでマイケルは、警察に「ジョージーナに隠れてリアムに食べ物を与えたこともあったが、バレたら口論になった」と供述したという。
今年1月16日にジャージー郡裁判所で行われた裁判で、マイケルは懲役25年、ジョージーナには懲役20年が科せられた。ジョージーナは深刻な精神疾患を抱えていたために、そうした行動に及んだとみられており、マイケルよりも刑期が軽減された。法廷でマイケルは「自分の行いを反省している。リアムは私にとって特別な息子だった。しかし息子への必要なケアを怠り、自分が臆病だったばかりに息子を守ってやれず死なせてしまった」と述べた。一方でジョージーナは「心が塞ぐ思い。一生立ち直れない。リアムにしたことを本当に申し訳なく思う」と口にした。
法廷で証言台に立ったリアム君の実母キムさんは「マイケルとジョージーナは、子供らを他の身内に会わせようとしなかった。だから誰も虐待に気付いていなかった。マイケルは父親として失格。美しい息子を奪った2人は罰を与えられるべき」と発言した。さらにリアム君の実兄であるジェイコブ・レイチェルさんも「マイクは悪魔」と法廷で父マイケルを非難した。なお、キムさんがなぜリアム君の親権を所持していないかについては明らかにされていない。
リアム君への虐待はリアム君が死亡した後に医療スタッフが児童福祉サービスに連絡するまで、当局も事態を把握していなかったとみられている。今回、エリック・ピストリウス判事は「両被告の犯行は、理解を超えた行為だ。2人によりリアム君のきょうだいは、弟を失ったというだけでなく、これからの成長を見守ってもらえるはずの両親を失ったことになる。残された子供たちが、今後前向きに生きてくれることを願う」と述べ、裁判に幕を下ろした。
このニュースを知った人からは、「リアム君が学校に通っていたなら、教師や学校側はなぜ気付かなかったんだろう」「学校が気付いていればその時に児童福祉サービスにも連絡できたはず」「周りの多くの人が、リアム君の異変をやり過ごしていたことになるよね。なんて気の毒な…」「生きていた6年間、誰からも愛情を注がれずに虐待されていたなら、亡くなった今の方がきっと穏やかに過ごせているだろうな。悲しいな」といった声があがっている。
画像は『NBC Chicago 2019年1月16日付「Illinois Parents to Be Sentenced in Child’s Starvation Death」(AP)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)