このほど台湾で、店内に貴重品の入った鞄を置き忘れた日本人客のために店主が夜通し車を走らせ、宿泊先まで届けていたことを『自由時報』などが報じた。
7日の夜、台中市内にある上泓園牛肉麵の博館總店を7~8人の団体客が訪れた。そのうち一人の日本人男性が、椅子の背もたれに鞄をかけたまま置き忘れていった。閉店後に清掃していた女性が鞄に気づき、忘れ物としてカウンターにしまっておいた。
しかし夜中の12時過ぎ、一行に同行していた台湾人女性から同店のフェイスブックページに連絡があった。鞄を忘れた男性は、パスポートがないためホテルにチェックインできないという。鞄にはパスポートのほかエアチケットと現金約10万元(約36万5000円)が入っていた。
一行はすでに高雄におり、同行者の女性は翌朝に店に取りに行くと伝えたが、一行が予定していたスケジュールが狂ってしまうことを知った店主は、「スケジュールが大事だ」と自ら片道およそ200キロ離れた宿泊先ホテルまで届けることを申し出たという。無事に鞄を届けた店主が台中の店に戻ったのは、翌朝の5時過ぎだったそうだ。
店主はかつてタイを訪れた際にビザを紛失した経験があり、異国で貴重品を無くした時の焦燥感がわかると言い、「台湾人の心の温かさを感じてもらえたら」と話している。
上泓園牛肉麵 博館總店のフェイスブックページには、