この送り主を見つけて直接感謝の言葉を述べたいと思ったハンターさんとジャニーさんは、Facebookで「送り主の住所だけが書かれていたが、もし分かればきちんとお礼がしたい。この投稿をシェアしてほしい」と呼びかけた。
すると、保険会社「Applied Underwriters」のブランド・マネージャーがこの投稿に目を留めた。Applied Underwritersはハンターさんに財布を送付した5児の父トッド・ブラウンさんの職場だったのだ。Facebookがきっかけで送り主を突き止めることができ、19日にトッドさんにお礼を言うことができたハンターさんは、喜びをこのように語った。
「財布が戻ってきてどれほど嬉しかったことか。全く見知らぬ自分にここまでしてくれるなんて感激しました。」
一方でトッドさんは、後のメディアの取材にこう話している。
「シートベルトをしようとして、財布が落ちていることに気付いたのです。客室乗務員に渡すことも考えましたが、やはりきちんと持ち主のもとへ返してあげたいので止めました。デンバーに着いた時、妻と一緒に持ち主を突き止めようと試みました。Facebookでハンターさんを検索していた妻は、39秒ほどで見つけることができましたよ。彼のプロフィールを見てまだ20歳の学生であることを知り、自分が20歳の時もそうでしたが、財布に入っていたお金はきっと彼にとって大金だろうと思ったのです。」
トッドさんはすぐFacebookにメッセージを送ったものの、ハンターさんからの返信がなかった。それでもトッドさんはIDから住所を知り、直接財布を送ることにした。
「ちょっと驚かせてあげようと思い、お金を足すことにしました。失くした財布が戻ってきて、しかも中身が増えていたらとても嬉しいでしょう? 財布の中には20ドル札が3枚入っていたので、足して100ドルにしたのです。私は今でも自分の母親にカードを送る時、1ドル(約113円)硬貨を忍ばせておくんです。思ってもいないお金を手にしたら、誰でも幸せな気分になりますからね。」
「19日に仕事から帰宅して、ハンターさんや彼の母親と話しました。ハンターさんは車の支払いや学生ローンを抱えている身とのことで、とてもいいタイミングで助けてくれたと非常に喜んでいました。ジェニーさんは、息子のことを忘れっぽい性格だから財布を失くした時にはそう驚かなかったようです。でも財布が戻ってきたことにはさすがに驚いたと話していました。」
もう二度と戻ってこないと思っていた財布が無事に戻ってきたことだけでも驚きだが、更に中身が増えていたと知ったジェニーさんは「嘘っ! あり得ないわ!」と叫んでしまったという。その後Facebookの更新で、ジェニーさんは「トッドさんと奥様の親切な行為には感謝してもしきれません。世の中はまだ捨てたものではないし、こんなに素晴らしい人もいるのですね」と綴っている。
トッドさんは「こんなに注目されることになるとは思ってもいなかった」と驚きながらも、「ただ、正しいことをしたかっただけなのです。いつも正しいことをするといい気分になるでしょう? “良い人”になるのはそう難しいことではないのです」と語った。
このニュースを知った人からは、「なんて素敵な話なの」「拾ってくれた人も素晴らしい人だったから良かったね」「こういうニュースを見ると幸せな気持ちになる」といった声があがっている。
画像は『ABC7 News 2018年11月25日付「Stranger returns wallet to man with extra $40 inside」』『Jeannie Shamatt 2018年11月15日付Facebook「On our way to Vegas for my daughters wedding last week, Hunter lost his wallet.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)