体調に異変を訴える我が子を何度も病院へ連れて行くも正しい診断をされず、結果的に少年は心停止状態となり、がんで死亡するという悲劇が起こった。しかし昨年から続いてきた死因審問で、検死官らは最終的に「医師らが本来行うべき基本的な診療を怠ったことと直接の死因は関連性がない」という結論を下し、家族は怒りと悲しみを抱えている。『Manchester Evening News』などが伝えた。
英グレーター・マンチェスターのサルフォードに住んでいたポーランド出身のセバスチャン・ノワック君(13歳)は2015年の夏、体調の異変を訴え5月10日~7月13日の2か月間にわたり5回もノース・マンチェスター総合病院を訪れていた。
セバスチャン君は、横になって眠ることができないほどの胸の痛みを抱えていた。食べ物を口に入れることも困難で、診察にあたった医師らには「胸にボールがあるような感覚」と話していた。ところが医師らは「深刻性はない」「喘息」「成長期特有の痛みにすぎない」という診断を下しただけで、検査することなく家に帰していた。
さらにその後、再来院した時にセバスチャン君は心拍数に異常があったが、医師らはそれさえも考慮することがなかった。7月13日の5回目の来院で初めてレントゲン検査が行われたが、診察をした研修医はセバスチャン君の気管をブロックしていた腫瘍に気付くことなく「異常なし」と診断を下した。
しかし病院から帰宅後にセバスチャン君は自宅で倒れ、病院に戻った時には心停止を起こして危険な状態に陥っていた。医師らはなんとか蘇生に成功したが、セバスチャン君はロイヤルマンチェスター子供病院の専門医のもとに送られ、精密検査が行われた。そこで悪性リンパ腫のひとつとされる「T細胞リンパ腫」を発見し化学療法が試みられたが、