高校生活の最後を締めくくるプロムは、生徒らにとって特別なイベントだ。しかしこのほど、英ケント州に住むひとりの少女が、学校からプロムの参加を禁じられてしまった。少女の母親は「娘の精神疾患に罰を与えたようなもの」と怒りを露わにしている。『Kent Live』『Mirror』などが伝えた。
ケント州ドーバーの「St Edmund’s Catholic School(セント・エドムンズ カトリックスクール)」に通っていたライザ=ジェイド・トリンブルさん(16歳)は、急に怒りを爆発させたり、攻撃的になったり、問題行動を起こしたりする「emotional dysregulation disorder (感情調整不全障害、以下EDD)」と社交不安障害を抱えている。そのため最後の学年は9か月間、クラスから何度も隔離されるという状態で過ごしてきた。いじめにも遭っていたライザさんはGCSE(全国統一試験)に合格したものの、早期卒業を余儀なくされた。
しかし学校側からは「早い卒業を迎えてもプロム参加には影響しない」と言われていたため、ライザさんは6月22日のプロムに双子のきょうだいであるライオール=アナライズさんと一緒に行くことを楽しみにしていた。ドレスを購入し、美容院の予約も既に入れていたが、プロムの2週間前になって学校側から「プロムのために購入したチケットを返してほしい」と参加禁止を言い渡されたのである。これを知った母のケリーさん(38歳)は激怒し、学校に苦情を訴えた。
「学校がライザを隔離していた間は、授業後のクラブ活動にも参加させなかったのです。学校は9か月間も娘の隔離を繰り返していましたが、看護師は『隔離することは健康上有害だ』と話していました。早期卒業でもプロム参加には影響しないと言われたにもかかわらず、結局学校のポリシーだからと娘は参加を拒否されたのです。学校側からは、ライザが情緒不安定なので本人もしくは他者に危害を加える恐れもあることを考慮して決断したと言われました。娘をいじめていた生徒たちは問題なくプロムに参加したんですよ。娘の精神疾患を理由に、学校側はこんなふうに罰を与えるなんて酷すぎます。」
楽しみにしていたプロム参加が叶わなくなり、