分娩後の母体の回復にはそれなりの時間が必要であり、慣れない育児をサポートしてくれる女性の手ほどありがたいものはない。初めての出産は特にだが、退院した母子が実家や親類宅に数週間世話になる、あるいは自宅に母親や姉妹が一定期間泊まりに来てくれるというのは世界的にみてもごく普通の光景である。ところがこの事件の犯人はそれが我慢ならなかったという。ミルクの入った哺乳瓶に薬物を混入したのは10代の叔母であった。
事件は米インディアナ州アレン郡のフォートウェインで昨年1月に起きた。生後11週の女の赤ちゃん(氏名などは明らかにされず)に飲ませるために用意されていた冷蔵庫のミルクに、市販解熱鎮痛剤エキセドリンの錠剤やカプセル9つ分の中身が混入されていたもので、そのしばらく後に赤ちゃんの叔母にあたるサライ・ロドリゲス・ミランダ(19)が逮捕されていた。
警察に通報し、証拠となる哺乳瓶を提出したのはミランダの母親であった。不安障害やうつ病に苦しむミランダとは携帯電話を共有しており、ある日娘がボーイフレンドに「ミルクに薬物を混ぜてやった」とのメッセージを送っていたことに気づき、冷蔵庫のミルクを確認。すると1本に色の変化があったことから彼女は孫を連れて病院へ急いだ。赤ちゃんの健康状態に異常はなく、アセトアミノフェン、カフェイン、アスピリンなどを致死量含んだミルクの投与は未然に回避できたものとみられている。
だがミランダはボーイフレンドに「赤ん坊なんて死んでしまえばいい」とのメッセージも送っており、