授乳中の息子に悪影響を及ぼしてはいけないという思いがあった母親。尋常ではない耳の痛みがあったにもかかわらず抗生剤の処方を拒否したことで、不運にも髄膜炎を引き起こし死亡するという悲劇が起こった。『Mirror』『The Sun』などが伝えている。
英チェシャー州ウィルムスローに暮らす大学講師のリアン・スタトム=バーネットさん(30歳)は2015年12月、パートナーのロス・ノーマンさんとの間にジョージ君をもうけた。母乳で育てていたリアンさんに異変が起こったのは翌年3月のことだった。
リアンさんの母で看護師のビバリーさん(55歳)は3月27日に娘から「具合が良くない」という連絡を受け、30日に会いに行った。「耳と頭がすごく痛い。出産を上回る痛み」と訴えた娘の耳をビバリーさんが見ると、出血し耳だれが出ていたためGP(一般診療)に診察の予約を入れた。
3月31日、リアンさんはGPで「ウイルスによる耳の感染症」と診断された。しかし薬を処方された様子もなく、ビバリーさんはリアンさんを連れて自分の家に帰った。
ところが4月2日の午前5時頃、ジョージ君の泣き声を聞いたビバリーさんが寝室に様子を見に行くと、リアンさんは嘔吐して意識不明になっていた。呼びかけても応答がなくすぐに救急車を呼び、マンチェスターのウィゼンショー病院へ搬送されたが、中耳の感染症が原因で起こる乳様突起炎から髄膜炎を発症していることがわかった。リアンさんの脳の機能が停止していると言われた家族は突然の事態にショックを受けたが、事実を受け入れる間もなくリアンさんは息を引き取った。