病気や怪我をしたペットの猫を動物病院へ連れて行く金銭的余裕がなく、自ら治療を試みた英ノッティンガムシャー州に住むカップルがペット飼育禁止令を課せられた。英メディア『Metro』が伝えている。
ノッティンガムシャー州レットフォード在住のスザンナ・セルフ(26歳)とマグノ・ソーザ(26歳)は、今年の6月にRSPCA(英国動物虐待防止協会)の監査人ダニエル・ブラッドショウ氏の訪問を受けた。カップルが飼っていた7匹の猫のことを心配した人物による匿名の密告がきっかけであった。
ブラッドショウ氏はカップル宅にバンディットという1匹の母猫と6匹の子猫がいるのを発見したが、猫インフルエンザを患っていたり脚を骨折していたりと健康状態が悪かったために動物病院へ連れて行った。カップルは動物病院へ猫を連れて行くだけの経済的余裕がなく、グーグルで「子猫の脚の治療法」などと検索し、入浴剤(バスソルト)を入れたお風呂に子猫を入れてみたり、人間の結膜炎治療用の目薬や塗り薬を猫に使用していたことが分かった。
結果として、動物病院に連れて行かれた猫のうち脚を骨折していた子猫は猫インフルエンザにもかかっており、手術をしても助からない可能性があることから安楽死させられ、他の猫も眼球を摘出しなければならない事態となってしまった。
11月7日にマンスフィールド治安裁判所で行われた裁判で、ブラッドショウ氏は「動物病院へ支払う費用の余裕がなかったことでカップルは自分たちで猫に治療を試みたが、その治療で更に猫を苦しませる結果となった。猫たちは動物病院で治療を受けると明らかに苦しみが和らいだようだ。このように獣医のもとに連れて行く余裕がない飼い主のせいで、苦しい目に遭っているペットは決して少なくはない。しかし多くの動物病院では料金の支払い方法が選べるし、数多くの慈善団体も存在する。また我々RSPCAも連絡を受ければ、常にプロの獣医のアドバイスに従って無料で相談に乗っている」と述べた。