イギリスのペットや家畜を含む動物全般を救済・保護する非営利団体「RSPCA(英国王立動物虐待防止協会)」は世界有数の動物福祉団体として知られており、その活躍も著しい。このほど様々な動物の危機を救ってきたRSPCAスタッフでさえ怒りを覚えるような、残酷な事件があったことを英『Metro』や『ITV News』などが伝えている。
5月9日、イギリス東部ノリッチ郊外にあるヘルズドン・ブリッジ近くを散歩していた人が、ウェンサム川に流されている犬を発見した。
その犬は5歳位のメスのスタッフォードシャー・ブル・テリアで、体全体をレガッタジャケットで巻かれ、足を縛られた状態でバッグに入れられていた。
発見者がすぐに警察に通報し、RSPCAスタッフも駆け付けたため溺死という最悪の結果は免れたものの、関係者はショックを隠しきれない。
獣医によると犬は腹部左側に巨大な腫瘍があり、他にもいくつかの疾患を抱えていたという。また爪も伸びきっており、飼い主が普段から飼育を放棄していたのは明らかであった。
幸いにも腫瘍は良性で手術によって摘出可能ということが判明したが、どうやら飼い主は病気になった犬を縛り、残酷にも川に捨てたようだ。
RSPCA査察官のローラ・セイヤーさんは「こんな状態で犬を川に捨てれば簡単に溺死してしまいます。このような野蛮な方法で病気になった犬を冷酷に捨てる飼い主には、憤りしかありません。もし飼い主がきちんと獣医に診せていれば、この犬は元気になって幸せに過ごすことができたのです。我々は、この心無い飼い主を見つけることに全力を尽くします。どんな小さな情報でも結構なのでご連絡下さい」と呼びかけている。