イスラム教徒の女性が肌を露出することなく泳ぐことができるようにデザインされた水着「ブルキニ」だが、昨年にフランスで着用禁止が言い渡されるなど、一般的に受け入れられているとは言えないのが現状だ。ではイスラム教の国々ではどうなのか。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで今月16日、プールでブルキニを着ていた女性とブルキニを見慣れない者との間に誤解が生じたことで、女性がプールからの立ち退きを言い渡されるという出来事が発生しており、やはり広く認識されていないことが明らかになった。
ブルキニを着用していたのは、イスラム教徒のアメリカ人女性B.Gさん。彼女によると「宗教的慎み」を考慮し、一般的なものよりパンツの部分が体にフィットしないようなブルキニをフランスからネット通販で購入したものであった。
ドバイの居住区レムラアンの共用プールでこれを着用したB.Gさんだったが、夫と共に泳いでいたところ監視員に「もっと体にフィットする水着を着てほしい」と言われてしまった。
その後も他の利用客から彼女のブルキニに対する苦情がレムラアンを管理するコミュニティマネージャーにまで寄せられ、監視員が再びB.Gさん夫妻に注意をした。すると事態がエスカレートし、B.Gさんの通報で駆けつけた警察まで巻き込む騒動に発展した。
「信仰の自由が守られ、どの宗教に対する差別も禁じられているドバイで、イスラム教徒として控えめな格好をしていたのに苦情を受け、まるで自分の権利がめちゃくちゃにされたように感じました」と話すB.Gさんは、警察に通報した理由を「この件はイスラム教が関わることだったからです。イスラム教の国であるドバイでは、こうした控えめな水着の着用は許可されるべきです」と説明する。