10月中旬ごろ、米テキサス州アマリロのメキシコ料理店で食事をしていたジェイソン・グッドライフさん(Jason Goodlife:仮名)は、隣のテーブルから聞こえてくる会話に耳を傾けずにはいられなかった。その内容が信じられないものだったからである。
隣のテーブルには女性5人のグループがいた。会話に耳をそばだてていたジェイソンさんは、話の内容から女性らが教職に就いていることが分かった。しかし障害を抱える生徒やその母親から届いたメールについて、時にあざ笑いつつ散々こき下ろしていたのだ。
「あの子が20年後に大量殺人の首謀者になったら…一体どうなるかしらね。学校に息子を行かせる前に、母親がきちんと世話をするべきよ。事件を起こしても世間から“何もしなかった”って責められるのは結局、私たち学校側なのだから。」
いたたまれなくなったジェイソンさんはこの光景をこっそり撮影し、会話の内容を添えて自身のFacebookに投稿した。
そして翌日、アンジェラ・ハートフェルダーさん(Angela Hartfelder)は、いつものように朝食をとりながら何気なくFacebookを眺めていた。読み飛ばそうとしたその時、1枚の写真が彼女の目に留まる。そこに写っていたのは、息子が通う学校にいる教師たちの姿だった。
ジェイソンさんの投稿を読み、5年生になる息子の話をしていることにすぐに気付いたアンジェラさんは、1行1行読み進めるにつれて心が張り裂けそうになったという。ビヴィンズ小学校に通う息子は、読み書きの障害であるディスレクシアとディスグラフィア、注意欠如・多動性障害(ADHD)、体内の結合組織が侵される難病のエーラス・ダンロス症候群などを抱えている。アンジェラさんはすかさず自身のタイムラインにこう綴った。
「私はこの教師たちが話題にしていた生徒の母親です。彼女たちは私たちに笑顔で接し、素晴らしい子だと言ってくれていました。(中略)学校側に息子の世話を押しつけようなどとは思っていません。家庭教師をつけるなど、できることはやっています。障害を抱える子供にこのような感情を抱いて接しているとしたら、あなたたちに教職は向いていないと思います。」