生まれて間もない娘が先天性の聴覚障がいを持っていることを知り、ショックを受けた両親。だが治ることはないと言われながらも、生後2か月目に補聴器をつけた娘の反応を見て両親は歓喜した。その時の映像がSNSで公開されるとたちまち拡散し、『Metro』『Good Housekeeping』などでも伝えられるところとなった。
米バージニア州バージニアビーチに暮らす2児の母クリスティー・キーンさんは、第2子となるチャーリーちゃんを今年8月2日に出産した。しかし妊娠中は何の問題も見当たらなかった娘に聴覚障がいがあることがわかり、夫ダニエルさんとともにその事実に衝撃を受けた。
チャーリーちゃんは最初の24時間以内に行われる聴覚テストで、医師に「耳の中に液体が溜まり耳詰まりを起こしている」と誤診されたが、その後の検査で両耳が先天性難聴であることが判明、おそらく治ることはないだろうと言われた。
「American Hearing Research Foundation(アメリカ聴覚研究財団)」によると、チャーリーちゃんのように先天性難聴を持った赤ちゃんが誕生する割合は1,000人~2,000人に1人だそうだ。
娘の予期せぬ障がいを告げられたクリスティーさんとダニエルさんは、チャーリーちゃんの将来を思うと悲嘆に暮れた。だがクリスティーさんは、自身のInstagramでこのように心境を綴っている。
「チャーリーはこの世に生を受けた時、私がかけた喜びの言葉が聞こえていなかったのです。なかなか寝付けない時やぐずっている時も私が歌った歌も聞こえず、『I love you』と語り掛けても聞こえていないのです。特に夜には、何も聞こえない状態で暗闇と静けさに対峙することは幼い娘にとってどれほど孤独で恐怖を感じることでしょう。でも一日中スキンシップをはかることで、娘に安らぎを与えられていると信じて祈っています。チャーリーが私の目を見つめている時、彼女は私の愛や望みを感じ取っているのがわかります。私たちの言葉が聞こえなくても匂いや触れ合うこと、見つめ合うことで愛を感じているのがわかります。娘の耳が聞こえないという事実は本当に辛いことですが、悲しむのではなく希望を持ちたいと思っています。」
そして、チャーリーちゃんは生後2か月目に寄付された補聴器の装着を始めて試みたところ、奇跡が起こったのだ。
ダニエルさんが録画したビデオでは、クリスティーさんがチャーリーちゃんを抱いて語りかけている。「Hello」とママに話しかけられたチャーリーちゃんは一瞬驚いたような顔を見せ、その後笑顔になった。さらにクリスティーさんが語りかけると、チャーリーちゃんは笑顔を見せるものの口を結んでまるで涙をこらえているかのような表情で、じっとクリスティーさんを見つめている。
「あなたのそんな顔、これまで見たことないわ。ママと同じようにあなたも胸がいっぱいになっているの?」とクリスティーさんが問いかけると、チャーリーちゃんはその言葉を理解したかのように僅かにうなずき、再び泣きそうな顔をしている。ママの声を初めて聞き、戸惑いや嬉しさ、驚きなど様々な感情が渦巻いているかのようだ。クリスティーさんが「I love you」と言うと、チャーリーちゃんは今にも泣きだしそうな顔を見せた。
この映像がYouTubeに公開されると600万を軽く上回る閲覧回数となり、SNSでもクリスティーさんの予想を遥かに超えた閲覧数を記録した。クリスティーさんは「最初は動画を録るつもりはなかった」と言うが、親戚の「動画で友人にシェアするといい」というアイデアに「それなら一般公開にしよう」と思い立ったそうだ。