子供の成長を日々見守っていく親にとっては、その段階一つ一つがかけがえのないものである。しかし体の成長が著しく早いために、子供らしい時代を過ごせずにいる女児がオーストラリアのニューサウスウェールズ州にいる。このほど母親が、胸のうちを『Mirror』『The Sun』などに語った。
ニューサウスウェールズ州ゴスフォードに暮らすエミリー・ドーヴァーちゃん(5歳)は、母タムさん(41歳)と父マットさん(40歳)の間に産まれた。出生時の体重は8ポンド(3628g)とタムさんの長女よりも軽く、何の問題もないように見えたエミリーちゃんだったが、生後2週目から徐々に変化が現れた。
よく泣き、落ち着かない様子を見せるようになったエミリーちゃんに、タムさんは当初「赤ちゃんにはありがちなこと」と思っていた。しかし寝つきが悪く、体の急激な成長による痛みを訴えるようになったエミリーちゃんは、生後4か月になると既に1歳児並みのサイズに成長し12か月~1歳半用の衣類を着ていたという。
やがて2歳になると胸が膨らみ始め、体臭も強くなった。またニキビも体や顔にできるようになり、心配した両親が複数の病院に連れて行くと、医師によっては「ご両親の背が高いからきっと遺伝的なもので娘さんも成長が早いのでしょう」「この子はきっとこういう体質なんですよ」と言われるだけだった。
その後も複数の病院で検査を受けていたエミリーちゃんはついに3歳の時、Wyong(ワイオン)病院の小児急性治療室の医師によってホルモン分泌量が妊婦のそれと同じということが明らかとなり、早くに初潮を引き起こす「中枢性思春期早発症」であると診断された。また、副腎の異常によりホルモンが十分に分泌されない「アジソン病(慢性原発性副腎皮質機能低下症)」と「先天性副腎皮質過形成症(CAH)」、感覚処理障害・不安障害を引き起こす自閉症スペクトラムを抱えていることも分かった。しかしエミリーちゃんの病は複雑さを抱えており、医師らもいまだ解明できない部分があるようだ。
4歳で初潮を迎えたエミリーちゃんは、パンツに便を漏らしてしまったと思うほど自分の体の変化を理解できないでいるにもかかわらず、幼いながらにして生理用品の使い方を学ばねばならなかった。また、その1年以内に陰部や背中、額などに体毛が生え、現在も骨の急速な成長のため頻繁に体が痛むという症状にも耐えている。