どんな小さな生き物にもかけがえのない命が宿っている。このほどタイで、生まれて間もないとみられる小さな仔犬が洪水被害に遭い救出された。ある軍兵が心肺蘇生を試みたところ、瀕死の状態だった仔犬は息を吹き返したという。奇跡とも言えるこの出来事が動画で投稿されると感動と称賛の声が続々と寄せられ、『Mirror』『Newsflare』などでも伝えられた。
9月22日、タイのバンコクで激しい洪水が起こり市内はカオスと化した。救助活動にあたった25歳のタイ軍兵ウィーラフォン・スクドム(Weeraphon Sukudom)さんは、タイ陸軍基地の駐車場で小さな仔犬を発見した。
「仔犬はきょうだい犬たちと一緒に浸水したガレージにいました。他の仔犬たちは無事でしたが、1匹いないことがわかって。すると水に浮かんでいるのを発見したんです。最初は、もう死んでいるのかと思いました。」
しかしスクドムさんは諦めなかった。心肺蘇生法を学んだのはかなり前のことであり、人にも動物にも実践したことはなかったが、目の前の小さな仔犬の命をどうしても救いたいという思いがあった。スクドムさんはすでに青白くなった仔犬をタオルを敷いたテーブルの上に寝かせ、懸命に心臓マッサージを施した。
その様子はスクドムさんの同僚が動画に収めているが、同僚らは声援を送り見守っている。ぐったりしている仔犬を両手で抱え、マッサージしたりタオル越しに人工呼吸したりとスクドムさんが蘇生を試みると、瀕死の状態だった仔犬に変化が見られた。息を吹き返した仔犬を見て、スクドムさんと同僚らは歓喜の声をあげた。