ボランティアで成り立っている山岳救助隊や航空救助隊は緊急事態に備えて、労力や時間、費用を少しも無駄にはできないそうだ。ところが今回、何とも呆れる理由で下山できなくなった登山者から通報を受けて、3時間以上にもおよぶ救出劇が繰り広げられた。『Daily Record』『Metro』『The Guardian』などが伝えている。
9月23日午後6時半頃、英カンブリア州にあるカンブリア警察に緊急通報が入った。通報者はイングランドでは最高峰とされる湖水地方のスカーフェル・パイク(標高978m)に登山した4人で、下山することができないという。
グレーター・マンチェスターから来た20代とみられる4人は、観光で湖水地方を訪れていたようだ。軽い気持ちで登山を試みたのだろう、スカーフェル・パイクの頂上に達した4人はなんと大麻を吸引したのである。すると気分がハイになり、歩行が困難となって自力で下山することができなくなった。同警察はワズデール山岳救助隊の協力を得て一行を捜索、通報から3時間以上経った午後9時45分頃、4人を無事に麓まで誘導した。
この日、同警察はツイッターに「大麻を吸って下山できなくなったと通報あり。山岳救助隊や航空救助隊、救助ヘリコプターを配備しなければならない事態となりました。呆れてものも言えません…」と投稿している。
各地域に所属する救急医療搬送「Air Ambulance(エア・アンビュランス)」は英政府の支援を受けておらず、燃料や設備費などは全て慈善団体や市民の寄付によって賄われており、ボランティアたちの活動により運営されている。今回のような出動でも、かかる費用は莫大だ。このニュースを知った人々からは「4人に費用の請求をするべき」「なんていい迷惑。愚か者」「どれだけハイになったんだ。山の頂上(High Mountain)でハイになるなんてジョークにもならない」といった批判が相次いだ。