営業の仕事を終えたその男性は、ドイツのケルンからイギリスに戻る飛行機に乗った“はず”であった。しかしいつまで経っても着陸態勢に入らない飛行機に、彼はその航路が目的地から大きく逸れていることを悟ったという。独・格安航空会社の失態を『The Sun』『Mirror』『Metro』ほか多数の英メディアが報じている。
搭乗者を異なる便に誘導してしまうという空港地上職における最大のミスを犯したのは、ドイツのLCC「ユーロウイングス(本拠地:デュッセルドルフ)」。被害にあったのはドイツのケルン・ボン空港から英エセックス州のロンドン・スタンステッド空港に戻ろうとしていたビジネスマンのサミュエル・ジャンコウスキーさんであった。
本人が乗るはずであったフライトは約1時間10分で距離にして370マイル。しかしうたた寝から目が覚めても着陸に向けたアナウンスがまったく流れない。周囲の乗客たちは平然としており、サミュエルさんはそこで自分の乗っているフライトに疑問を抱いた。隣の乗客に目的地を尋ねたところ「ラスベガスですよ」という返事で、そこは5,500マイルほど離れており所要時間も11時間近くになる。彼はわざわざ12ユーロの料金を支払って機内でWi-Fiを使用し、アプリのWhatsAppから妻に連絡したという。
しかし、さらに大きな問題が彼を悩ませた。ラスベガスに到着すると米国移民局(U.S. Citizenship and Immigration Services)は彼を不審者として扱い、留置場のような所に閉じ込めてずっと監視した。ラスベガスからは一旦ケルンに戻るフライトを利用することになったが、この旅費はサミュエルさんが負担することに。ここで彼の我慢は限界を超えてしまった。