これからの季節、危険なシチュエーションでのセルフィー(自撮り)には十分に気を付けて頂きたい。ボートもそのひとつ。複数の人がスマホの画面に収まるには互いに近くに寄る必要があるが、それによりボートのバランスが崩れたらこんな惨事が起きてしまうのだ。このほどインド・マハーラーシュトラ州のある池で…。
『The Hindu』などが伝えたところによれば、その水難事故はマハーラーシュトラ州の貯水池で9日午後7時前に起きた。20代の男性ばかり8名の若者グループがナーグプルから約30km離れた「ベナ」という貯水池に出かけ、あるボートに乗り込んだ。漕ぎ手でもある地元の村民3名を含む、計11名で池の中央を目指したという。
若者グループの何名かはすでに酒に酔っており、「夜のクルージングなんて人生最高の気分」などと言いながらビデオ撮影を続けてFacebookに投稿する者も。彼が撮影をやめて3分ほどすると、誰からともなく「次は全員でセルフィーを。参加できなかった奴らに見せよう」といった声があがった。その後、ボートはいきなりバランスを崩して転覆。11名全員が池に投げ出されたという。
生存者3名(村民1名、若者グループ2名)がナーグプルの病院に搬送されたが2名は予断を許さない状況で、その後にほかの7名が遺体となって発見された。現在もアテュル・ブホヤールさんという1名の遺体を捜索しているが、彼は学校でコンピュータを教えており、妻との間に7か月前に娘が生まれたばかり。また死亡が確認されたパレッシュ・カクホートさんは11月に結婚する予定で、インドの商業銀行「HDFC銀行」で融資を担当していたパンカジ・ドイフォードさんは3年前に父親を亡くし、唯一の働き手として母親と4人姉妹の生活を支えていたそうだ。