応急処置と救急車の提供を行っている自治体のボランティアサービス「St. John Ambulance(セント・ジョン アンビュランス)」で11年にわたりボランティアをしている男性が、 救急法講習会の講義中に心臓発作を起こした。幸いにもCPR(心肺蘇生法)で彼を救ったのは、講義を受けていたメンバーだったことを英『DevonLive.com』や米『Inside Edition』が伝えている。
デヴォン州エクセターに住む元看護師のデイヴィッド・ノールズさん(77歳)は、4か月前にウェスタンウェイにあるベルモント教会で教会のメンバーらに救急法講習会で講義をしている最中、心臓発作を起こした。
デイヴィッドさんはCPR(心肺蘇生法)について話し始めた時に突然眩暈がして横になったが、講義を受けていたメンバーたちは彼がデモンストレーションをしていると勘違いした。デイヴィッドさんはメンバーの1人で元看護師のキャロル・チューさんに、演技ではなく本当に具合が悪くなり意識が遠のきそうだと伝え、妻のノヴァさん(75歳)に連絡してほしいと頼んだ。
その時、デイヴィッドさんは「もしかしたら心停止になって助からない可能性もある」と言い、「(妻の)ノヴァは胆嚢摘出手術をしたばかりだから走って駆け付けて来ないように伝えてほしい」と自分の緊急時にもかかわらず妻への気遣いも見せていたという。さらにキャロルさんに対して、心停止の際に何をどうすべきかを伝えた。
キャロルさんはデイヴィッドさんに頼まれた通り、彼の入れ歯を安全な場所に置き、他のメンバーと協力して999に通報しノヴァさんにも連絡した。そして救急隊員が到着するまで、意識を失い呼吸が停止したデイヴィッドさんに心肺蘇生を続けた。
救急車が到着した時、わずかに意識を取り戻したデイヴィッドさんは隊員に自分の容態を話した。連絡をもらって駆け付けたノヴァさんは、当時のことを「夫は意識を失ったりしつつも救急隊員に自分の容態について、落ち着いて明確に告げていました」と話している。
再び意識を失ったデイヴィッドさんが次に目覚めたのは、ロイヤル・デボン・アンド・エクセター病院のベッドの上で、倒れてから2週間半が経っていたという。