人間が捨てたゴミによって命の危険にさらされる野生動物があとを絶たないが、このほどイギリスでポリエステル製テープが体に巻き付いたまま苦しんでいるアザラシが発見された。その痛々しい姿はFacebookに投稿され、人々の関心を集めることとなった。英メディア『Metro』が伝えている。
今月5日、イギリス南西部コーンウォール半島沖合いにあるセント・メアリーズ島ウィットリー湾で、体にポリエステル製テープが食い込んで肉があらわになったアザラシが見つかった。
すぐに「英ダイバーズ海洋生物救助隊(British Divers Marine Life Rescue)」が呼ばれたが、彼らが到着するまでの30分間にこのアザラシは絶命してしまった。セント・メアリーズ島で野生動物の保護活動に取り組む非営利団体「セント・メアリーズ・シール・ウォッチ(St. Mary’s Seal Watch)」は、「アザラシがまだ小さかった頃に梱包用のポリエステル製テープの輪が胴体にはまってしまい、成長するにつれて少しずつ食い込んでいったのではないか」と死因を分析している。
「セント・メアリーズ・シール・ウォッチ」のサリー・ベネットさんは、「数日前に見つかっていれば何とか救出することができたかもしれません。ボランティアの中には、これまで数多くの動物のケガを目の当たりにしてきたにもかかわらず、無残なアザラシの姿を直視することができなかった者もいました」と話している。そのアザラシの写真は同団体のFacebookに投稿されたが、多くのネットユーザーから次のようなコメントが寄せられた。
「このアザラシは人間が捨てたゴミによって、内臓をゆっくりと締め付けられる痛みを感じていたのだろう。私たち人間には彼らの命を奪う権利はない。」
「私は自宅で梱包用のポリエステル製テープを切って捨てているけど、それでも十分とは言えないのかもしれない。」