DV被害に遭っていながら声を出せないのは女性だけではない。このほど度重なるDV被害に遭い命を落とす寸前だった男性が、英紙『Mirror』や『Metro』で「僕のような立場にいる男性たちに、事態が悪化する前にDV被害から抜け出してほしい」とメッセージを伝えている。
英ランカシャー州クリーブレイズで、婚約者の女から壮絶なDV被害を受け続けていたのはマーティーン・ブラウンさん(29歳)だ。
2児の父親でもあるマーティンさんは、学生時代から顔見知りだったハリエット・シャープ(25歳)と昨年2月に共通の知人を通して再会し、交際を始めた。最初のうちこそ幸せな関係であったが、半年後に状況が一変する。
昨年10月頃にハリエットと母親が住む狭いアパートに引っ越したマーティンさんだったが、ハリエットからDV行為を受けるようになってしまった。飲酒すると大抵は口論に発展し、ハリエットは同月にマーティンさんを刺したという。
マーティンさんは、自身が男性の身でDV被害に遭っていることを誰にも話せなかった。コントロール好きのハリエットはマーティンさんを友人から孤立させ、暴力を振るい、12月にもまた刺している。事が明るみに出たのは、今年1月11日だった。
その日、近所の人たちと飲んでいたマーティンさんとハリエットだったが後に口論となり、カッとなったハリエットはマーティンさんの肩、腹、背中、太もも、額、左胸などをキッチンナイフで刺し重傷を負わせた。そしてハリエットは腹痛を装って救急車を呼ぶも、マーティンさんには「怪我のことを黙っているように」と口止めしたという。