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writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】DV被害で命を失いかけた女性、助けてくれた救急救命士と結婚(米)

パートナーからのDV(ドメスティックバイオレンス)に耐え続けていることをなかなか口にできない人は少なくない。このほどDV被害に遭い瀕死の状態になっていた女性を救った救急救命士とその女性が恋に落ち、5年越しの交際を経てめでたくゴールインした。『CBS News』や『People』が伝えている。

2012年1月24日、米フロリダ州のクリアウォーターにあるセント・ピーターズバーグ大学に通っていた当時20歳のメリッサ・ドームさん(25歳)は、過去2年間交際していたロバート・バートンに突然襲われた。バートンはメリッサさんと交際していた2011年10月にDV事件を起こしており、メリッサさんへの接見禁止令が出されていた。

しかしバートンは、メリッサさんに「最後にハグをしてほしい」と呼び出した。関係を早く断ち切りたいメリッサさんは、嫌悪感はあったがこれで終わるのならと自宅の外に出た。そしてバートンから殴る蹴るの暴行に加え32回も刺された後、自宅前の道路で血まみれで倒れていたところを通行人2人が発見し911に通報した。

救急救命士であるキャメロン・ヒルさん(42歳)が駆け付け、メリッサさんをヘリコプターで救命救急医療センターへ搬送。キャメロンさんは当時のことを「彼女が金髪だということは全くわからなかったほど頭部は血まみれでした」と話しており、駆け付けた警察官の女性も「正直言って彼女が助かるとは思いませんでした」と述べていることから、メリッサさんがいかに凄惨な状態であったかがうかがえる。

そんなメリッサさんは奇跡的に一命を取り留めた。3週間の入院中は厳しいリハビリに励み、退院の4日後には大学に戻るという驚異的な回復を見せ大学を予定通り卒業した。その後もカウンセリングやスピーチセラピー、顔の神経再建手術を受けたりと、計り知れない努力と強さでもってメリッサさんは事件の辛さを乗り越えてきたのだ。

事件から10か月後のこと、メリッサさんはキャメロンさんのために開かれた食事会でキャメロンさんと再会した。実はキャメロンさん、事件のあった日メリッサさんを見てなぜか「きっとまた彼女に会うことになるだろう」という予感を抱いたそうだ。この日をきっかけに2人は交際を始め、2015年5月11日にメジャーリーグベースボール「Tampa Bay Rays」の始球式に呼ばれたメリッサさんは、キャメロンさんからサプライズのプロポーズを受けた。

グラウンドで、キャメロンさんから「僕と結婚してくれませんか」と赤いペンで書いたボールを渡されたメリッサさんは驚きながらも「イエス」と答えた。そして今年の3月4日、2人は家族や友人、キャメロンさんらの同僚、そして事件当時に命を救ってくれた医師ら総勢200人に祝福されて結婚した。

メリッサさんは現在、DV被害に遭う人たちをサポートする「Hands Across the Bay」で働いている。裁判ではバートン被告の前で「あなたを赦します」と伝えたメリッサさんは、インタビューを兼ねたドキュメンタリー番組『48Hours』の中でこのように語っている。

「襲われた時、私はもうこれで死んでしまうのではないかと恐怖でいっぱいになりました。助かって、キャメロンに会うまでは事件がトラウマになって心を閉ざしたままでした。でも彼はどんな時もずっと支えてくれました。彼は私の命の恩人であるとともに素晴らしい親友です。あの事件がなければ、キャメロンにも出会うことはなかったでしょう。人生で一番最悪な日でしたが、運命の人に出会えたことは最高だと思っています。私は今をこうして“生きている”ということがとても幸せです。どんなに虐待を受けても、人生をやり直して愛を見つけることは可能なのです。」

出典:https://www.facebook.com/Dr-Larry-Lieberman-132607060126565
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)