深刻な拒食症により精神科病院で治療を受けていた15歳の少女が、病院側から退院の指示を受け自宅に戻った5日後に自ら命を絶った。少女の両親は娘への十分なケアを怠ったとして、死因審問で病院側を批判した。英『The Telegraph』など複数メディアが伝えている。
英グレーター・マンチェスターのガットリーに暮らすマリー・マクマナスさんとジムさんの娘ピッパさんは、12歳の頃から深刻な拒食症に陥った。
鏡を見るたびに「太っている」と思い込んだピッパさんは過度のエクササイズと食事制限を続けたが、次第にその抑制が効かなくなり、2012年のクリスマスに心配した家族は病院へアドバイスを求めた。
ストックポートの精神科病院に通院していたものの体重が27kgにまで落ちたピッパさんは、精神保健法のもと「The Priory Hospital Altrincham」で治療を受けるようになったが、拒食症だけでなく栄養失調やうつ、自傷行為にも悩まされていた。
入院中はぬいぐるみの中から鉛筆削りの刃が見つかっており、ピッパさんは家族の前でも自殺をほのめかすような行為をしていたという。家族や医師、愛犬に「もう生きていたくない。これ以上闘えない。頑張ったけどもう無理」といった別れの手紙を綴っていたそうだ。
家族は不安定な状態だったピッパさんへの病院側の対応に不安を抱いていたが、2015年12月に病院側はピッパさんを退院させた。しかしその5日後、家族との口論が原因で家を飛び出したピッパさんは地元の駅で電車に飛び込み命を絶ってしまった。わずか15歳だった。