ウィルフさんのもとを訪れていたヴェラさんだったがある日、妻の顔を認識できなくなった夫にショックを受けて臥せることが多くなったという。
ピーターさんの娘であるステファニー・ウェルチさんが3月26日に祖母ヴェラさんが入院した病院を訪れたところ、ヴェラさんは目を開けて「ウィルフはどこ?」と聞いてきた。そしてヴェラさんは「私たち、お似合いの2人でしょ」と口にしたそうだが、それがステファニーさんが聞いたヴェラさんの最後の言葉となってしまった。
3月29日のこと、ウィルフさんはウィグストンにあるマグナ老人介護施設で午前6時50分に息を引き取った。そして4分後、夫の旅立ちを待っていたかのようにヴェラさんはウィルフさんがいた施設から4.8km離れたレスター・ロイヤル・インファーマリーで亡くなった。
ヴェラさんは、ウィルフさんが息を引き取ったことを知らずにいたそうだが、わずか4分差で2人が申し合わせたように旅立ったことは驚かずにはいられない。ステファニーさんは生前の祖父母を振り返りこのように語っている。
「祖父と祖母は多くの共通の趣味を持ち、祖父が施設に入所するまでは一夜たりとも離れたことがなかったほどです。家庭的で、物を大切にして古くなったり壊れた物でも新しく買い替えるよりも何か月もかけて修理してまた使うというような夫婦でした。祖父はいつも祖母の尻に敷かれていたのですが、結局はそれが夫婦を長続きさせる秘訣だったのかも知れません。」
この世には、科学では決して証明できない不思議な出来事が存在する。互いに別の場所にいながらも、たった4分差で夫婦仲良く連れ添って旅立ったウィルフさんとヴェラさんにも、きっとそうした力が働いたのではないだろうか。
出典:http://www.mirror.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)