本作で木村拓哉は、望んでもいないのに不死身の身体にさせられた「万次」を演じる。右目がつぶれた万次が用心棒として命がけで守るのは、杉咲花演じる敵討ちにいく少女「凜」だ。木村は、強敵たちとのすべてのバトルをノースタント、片目で演じきった。原作となる沙村広明氏の同名漫画の大ファンという三池崇史監督は、万次役は「木村拓哉以外ありえない」と改めて断言した。
アクションシーンの多い過酷な現場のため「撮影中のトラブルで(自身が)ケガをしてしまったり、監督が足を折られたり、いろんなことがあった」と振り返った木村は、三池監督が「ローリング・ストーンズのステッカーをいっぱい貼った松葉杖をついて現場にいてくださった」と感謝した。そして「撮影している段階でもいっぱい感動させていただいた。出来上がったのを観てもう一度感動した」と本作の出来栄えに感無量のようだ。
役にどうアプローチしたらいいか悩んだという「尸良」役の市原隼人は「ハイエナのような残虐な人間で快楽に走るので、ハイエナが生きた動物を捕食する映像を観ながら、“ここが自分のすべてなんだ”“ここに快楽を求める人間なんだ”」と言い聞かせて役作りをしたそうだ。
そんな市原について「隼人はいい意味でクソ真面目に本気で取り組んでくれた」と印象を語った木村だが、撮影中にはLINEでやりとりしていたそうだ。クランクアップした後も木村は市原の活躍ぶりが目にとまり、市原のドラマ出演に際し「車いすバスケやるんだ」「(湊)かなえさんのドラマに出るんだ」などと何回もメッセージを送ったが「一回も既読がつかなくて、まずいなと思った」と告白。この会見前に直接確認したところ「(市原は)当時のケータイをグチャグチャにしてしまったらしくて、新機種に替わってました。さっき無事にLINE交換しました」と珍事件を明かして場内を沸かせた。
その木村について市原は「こんな座長、初めてだなと思ったのが、現場にマッサージする機械を持っていらっしゃって、首が回らないカメラマンさんをマッサージしてあげていた」などのエピソードを披露して「木村さんは自分のことよりも周りのことを気にかけている男で、本当にそこが素晴らしい。そういう男になりたいなと思ったのが本当に初めてだった」と大絶賛。しかし、司会者から「でも機種変更は(木村に)伝えていなかったんですね?」と突っ込まれると苦笑していた。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)