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writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】脳内スイッチ・オンでいきなり「弱いものイジメ」 米大学研究チームがマウスで実験

生き物が見せる狂暴さは脳へのちょっとした刺激が引き金になるとの事実をつかみ、有名学術誌『Cell』に共同で論文を発表したのは、米イェール大学において精神医学および生理学を専門とするイヴァン・デ・アラウホ准教授、精神医学が専門のウェンフェイ・ハン博士、そしてサンパウロ大学で神経生物学が専門のミルトン・カンテラス博士であった。

行われた実験は、脳神経系における情報処理の状況を調査するための「オプトジェネティクス(光遺伝学)」という研究の一環で、頭部に取り付けたスティック状のセンサーで特定のニューロン(神経細胞)に光を送って活性化させ、興奮や抑制の度合い、運動反応などを観察することになる。「青い光を使用して特定のニューロンを刺激したところ、マウスたちはいきなり狂暴化し、強い攻撃性を見せた。その明確な変化には驚くばかりであった」としている。

公開された実験の動画では、光が消えている時は穏やかで置かれた障害物にも特に興味を示さないマウスたちが、スイッチが入ると突然のように筋肉を強く収縮させ、驚くような強さで相手を噛み、食いちぎるなどする。だが不思議なことに彼らは他のマウスや自分より大きなものに対しては攻撃をしかけない。コオロギのような小さな生き物や小型のオモチャなど、自分より弱小なものに対して暴力的なイジメを展開しているようにも見えるのだ。

動物が獲物を捕らえて食べる際には、追う、狩る、奪う、捕獲する、噛みつく、殺すといった実に複雑な行動が見られる。アラウホ准教授らは、その行動一つ一つをコントロールするのが脳のどの部分であるのかを解明すべく3年がかりで研究を進めてきた。その中でも特に注目して観察してきたのは、マウスの首、頭の位置やアゴの動きを決めるシグナルだという。研究がさらに進むことにより、凶悪犯罪者やDV常習犯などの脳内における“キレやすい”スイッチが常にオフの状態で維持される、そんな方法が発見されることにも期待したいものである。

なお、SF映画の世界であれば「もしもこうした実験をヒトで行ったら大変な殺人鬼が誕生することになる」と考えるもの。だがその点については、「ヒトの脳領域にはマウスその他の動物との類似点があるものの、オプトジェネティクスが軍事用の目的に使用されることは決してない」と否定された。

出典:https://www.washingtonpost.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

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