「あるアパートの地下に1匹の猫が飼われているが、飼い主は世話ができない状態で放置されているようだ。一度訪ねてみてもらいたい。」
イリノイ州シカゴの動物救助センター「The Anti-Cruelty Society」はこの家に出入りしていた数人の作業員からの連絡を受け、シカゴ郊外のあるアパートを訪ねた。そこでセンター職員の目に飛び込んできたのは、伸び放題の毛に覆われて異臭を放つ1匹の猫だった。
同センターのスポークスマンであるコレット・ブラッドレーさんは、その時の様子を次のように語る。
「通報を受けて猫を所有する老人の家を訪ねました。その男性は精神的に何らかの問題を抱えており、猫の世話ができる状態ではなかったようです。我々の施設で猫を引き取りたいとの申し出に、男性は快く承諾してくれました。」
センターの職員はこの猫を連れ帰り“シンバット”と名付けると、ゴミがこびりついたままでもつれて塊になっていた毛を丁寧に刈りとってあげた。長い間洗ってもらえなかったとみられる毛の塊は、なんと5ポンド(約2.2キロ)以上にもなっていた。
コレットさんはこう続けた。
「センターにやってきた当初は、痩せていて足がもたつき上手に歩くこともできませんでしたが、2~3日もすると元気を取り戻してすぐに家具に飛び乗ることができるほどになりました。足に筋肉がついた証拠です。シンバットは人との接触がほとんどなかったとは思えないほど人懐こく、気が付くと職員の足にまとわりつくようになりました。愛情に飢えていたのでしょうね。」
少しずつ体重も増え元気になったシンバットは、クリスマスを機会にセンター職員のエリオット・セラーノさんに引き取られた。その後エリオットさんの家族の一員として正式に迎えられ、インスタグラムのアカウントも開設されている。サイトではきれいに手入れされたフワフワの毛をまとい、リラックスした姿のシンバットを見ることができる。3800を超えるフォロワーがおり、実に癒されるサイトになっているようだ。
出典:http://people.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)