現在開催中のツアー『THE ALFEE Best Hit Alfee 2016 秋フェス』の大宮ソニックシティ公演で、通算2600本目のコンサートを迎えたTHE ALFEE。関東甲信地方で54年ぶりに11月中に雪が降るという悪天候にもかかわらず、この記念すべきライブに参加しようと多数のファンが約2500席を埋め尽くした。
重厚感のあるセットの中、大歓声に迎えられてステージに3人が登場。数曲を演奏した後、坂崎幸之助が「日頃のうっぷんを晴らしてください。最後までよろしく!」と軽妙なトークで挨拶する。
ヒット曲『メリーアン』や今年5月リリースの65作目の最新シングル『今日のつづきが未来になる』などが次々に演奏される中、MCで高見沢が切り出した。「(さきほど)いいことがあったと言いましたが、今日はなんとTHE ALFEEの2600回目のコンサートです!」と告げると、会場には特別大きな拍手が沸き起こった。2005年に通算2000本目を達成した際も、会場が同じ大宮ソニックシティだったことから桜井が「因縁があるんだよ」とポツリ。すぐさま高見沢が「因縁って言うなよ!」と抗議するのと同時にファンからも一斉に「えーっ!」という声が上がる。坂崎が「全員から突っ込まれた(笑)。因縁なんてラララララララーラ」と吉田拓郎の歌詞をもじって歌い出すと爆笑だ。このようなトークの掛け合いはまるで台本のないコントのようで長年培ったチームワークのたまものだ。
アンコールでは揃いのミリタリールック姿の『The KanLeKeeZ』が登場。12月21日に史上最年長新人バンドとして正式にデビューする彼らは、THE ALFEEにそっくりだが、別のバンドらしい。彼らはGSのヒット曲を何曲かカバーし、さらにTHE ALFEEの中でもGSを意識した“THE ALFEEオリジナル曲”をカバー(?)して盛り上げた。
終盤、高見沢は「THE ALFEE 2600本、最高の夜になりました。僕らのコンサートに来続けてくれた皆さんのおかげです。」「感慨深いものがたくさんあります。胸がいっぱいになるものもあります。この2600本もそうですが、(コンサートは)二度と戻ってきません。だからそういう思いで一本一本大事にしていきたいと思います。この気持ちをもって、今後もみんなとともに3000本に目指して頑張っていこう。これからもTHE ALFEEをよろしく!」と大台3000本に向けて高らかに宣言した。
すべての演奏が終わり、3人が並んで深々と客席にお辞儀をすると、2600本記録を祝福する紅白の紙吹雪が一斉にステージ中央に向けて噴射された。高々と両手を誇らしげに上げる高見沢と、同じく両手を少し控えめにあげる坂崎に対して、少し不思議そうにサングラス越しにその光景を眺めていた桜井。こうして大きな歓声と余韻の中、記念すべきコンサートは幕を閉じた。
コンサートでは、ときには満天の星空を作り上げる計算し尽くされたライティング、キャノン砲から放たれる無数のテープ、ドライアイスや炎など、ライブを盛り上げる演出はいくつもあるものの、やはり彼らのコンサートの土台にあるものは揺るぎない「音楽」だ。ジャンルは、フォークからポップス、ハードロック、さらにはプログレッシブロック、ときには演歌や組曲まで幅広くこなす上、3人ともリードボーカルをとることができるため、無限の可能性が広がる。そこに圧倒的なコーラスが加わり相乗効果を生む。年齢を重ねてもボーカル力は少しも衰えず、むしろパワフルになった感すらある。代表曲『星空のディスタンス』も彼らがライブを続けているからこそ、決して懐メロにならず、色あせない。
坂崎がこの日MCで、「舞台の上のTHE ALFEEが真のTHE ALFEEでございます」と語ったように、コンサートは彼らを象徴するもの“代名詞”とも言える。現在開催中のツアーは12月17日の仙台サンプラザホールまで続き、その後日本武道館2DAYSと大阪城ホールでのアリーナ公演『Best Hit Alfee 2016冬フェス』が開幕する。THE ALFEEコンサート通算3000本までのカウントダウンはすぐに始まるのだ。
THE ALFEE 3人からのメッセージは以下のとおり(当日コンサート開演前にコメント)。
■桜井賢
「2600本のコンサートに参加してくれたすべての皆さんひとりひとりに感謝です。ありがとうございました。」
■坂崎幸之助
「毎年ツアーを休まずに本数を積み重ねて行っているので、通過点のひとつと言えばその通りなのですが、やはり節目は嬉しいものです。ファンのみなさんに感謝しながらステージに臨みたいと思います。」
■高見沢俊彦
「今夜の大宮のコンサートで通算2600本になりました。僕らの音楽を見つけ、僕らのコンサートを選び、コンサートに足を運んでくれたファンの皆さんに心から感謝致します。さぁ! 次は3000本目指して共に頑張りましょう!」
コンサート写真撮影: HAJIME KAMIIISAKA
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)