リオ五輪・柔道男子90キロ級で金メダルに輝いたベイカー茉秋選手、決勝で優勢勝ちすると笑顔でガッツポーズを見せた。ネットでは畳を降りるまではガッツポーズを控えるべきだとの声もあるが、一方で井上康生監督を敬愛する気持ちや感謝を表したものではないかとの見方も出ている。
ベイカー選手は8月11日、『ベイカー茉秋/MashuBaker(16Champion1)ツイッター』で「小さいときからの夢だったオリンピックチャンピオンなれました! 沢山の応援ほんとうにありがとうございました」とツイートして金メダルを噛みしめる姿や人差し指で観客席にアピールするガッツポーズを投稿した。
彼は優勝が決まってからのインタビューに「井上監督が五輪チャンピオンになったのを見て柔道を始めた。ずっと五輪チャンピオンになることだけを夢見て取り組んできた」と話しており、井上康生監督はヒーロー的存在なのだ。フォロワーから井上康生監督が現役時代にシドニーオリンピック(2000年)で金メダルをとった際のガッツポーズとベイカー茉秋選手の仕草が似ているというツイートがあった。恩師への溢れる敬愛や感謝を表現する姿に感動するか失礼と受け止めるかは人それぞれだが、そうした意味が込められたガッツポーズであることは知っておきたい。
今大会でベイカー選手は決勝まですべて一本勝ちする安定した強さを見せ、決勝ではバルラム・リパルテリアニ選手(ジョージア)を攻めながら相手の繰り出す技にも冷静に対応、大内刈りで有効を奪うと指導を2つ受けながらも逃げ切って優勢勝ちした。最後も一本勝ちといきたいところだったが、それでも同階級日本人初の金メダルを手にした功績は偉大だ。
11日放送のバラエティ番組『バイキング』(フジテレビ系)ではゲストの薬丸裕英がベイカー茉秋選手について、ピアノを習っていた時に先生からのすすめで柔道を始めた意外なきっかけとともに握力の強さに着目する。シドニーオリンピック柔道男子81kg級金メダリストの瀧本誠さんは「彼の握力は75キロあるので、試合中も相手の袖を握ったら離さない。外国人選手がそれを嫌がるが離さない。それが良かった」と強さの秘密を説明した。
ベイカー茉秋選手が柔道男子90キロ級で日本初の金メダルに輝いたことには、「あの吉田秀彦(1992年バルセロナオリンピック柔道男子78kg級金メダリストでシドニーオリンピック90kg級に挑むが敗退)でも勝てなかった厳しい階級ですから」とその凄さをたとえている。
出典:https://twitter.com/16champion1
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)