お昼のバラエティ番組『バイキング』に東京都知事選候補者から鳥越俊太郎氏、増田寛也氏、小池百合子氏の3候補が緊急生出演した。「都知事になったら何をしたいか？」について各人1分間で方針を語った後、それぞれに質問をぶつけるなかで鳥越氏が小池氏による街頭演説での「病み上がり」発言について追及する場面があった。白熱する議論を緊張した面持ちで見守る共演者たち。そんななか小池百合子氏が放った一言が坂上忍の心に大きく響いたようだ。一方の増田寛也氏はというと、こちらはテレビ局の“ご法度”など「どこ吹く風」とばかりに他局の番組の魅力を力説するマイペースさを見せた。

7月19日生放送の『バイキング』（フジテレビ系）の番組中盤に鳥越俊太郎氏、増田寛也氏、小池百合子氏3人の都知事選候補者が出揃った。メインMCの坂上忍が「『バイキング』はいつからこうなっちゃったの？」とこぼしたように、およそバラエティ番組らしからぬ様相を呈したが「3人の素顔に迫る」をテーマとしたコーナーでは、柳原可奈子から小池百合子氏に「ファッションのこだわりは？」、YOUから鳥越氏へ「最近面白かったおすすめの本は？」などそれぞれ質問が投げかけられ、だんだんと砕けた雰囲気へ変化を見せた。

小籔千豊から「お固い感じですがバラエティ番組は見られますか？」と問われた増田寛也氏。少し考えてから「他局でもよろしいか？」と断ったうえで『世界の果てまでイッテQ！』（日本テレビ系）が好きだと答えた。しかも「出川さんの“魂の英語”や宮川大輔さんの“お祭りわっしょい”とか（が好き）」など番組の内容にも詳しい。坂上忍が「フジテレビでは何か（好きな番組は）ないですか？」と念を押すが、「あとはBSになるかな？」とフジテレビとしてはなんともつれない答えが返ってきた。柳原が他の2人はバラエティ番組を見るのかに関心を示すと、小池氏は自身が様々なバラエティに出演することで「学ばせてもらう」と答え、番組名についてはあえて語らなかった。

一方の鳥越氏はフジテレビ系『僕らの音楽』の第1シリーズで「1年間MCをやっていた」経験を語った。鳥越氏は『バイキング』にも何度か出演しており、『ライオンのごきげんよう』（放送終了）にも4、5回は出たことを振り返る。『バイキング』もよく見ているという言葉に「さすが、鳥越さん！」と坂上は感激するが、「あと、TBSの『プレバト』は面白い！」と最後に他局で締めた。これには「いい年こいた人たちが他局のことばっかりいう！」とさすがに坂上忍も呆れていた。

この日の放送で坂上忍の心に強く印象付けられたのが、小池百合子氏の『これが選挙です！』という言葉であった。小池氏が街頭演説にて「病み上がりの人を連れてきてどうするのか？」と発言した件について、自らもがんからの生還者である鳥越氏が「がんサバイバーへの差別ですよ」と追及した時のことだ。小池氏は「（そのようなことは）言っていない」「もし言ったとしたら失礼だった」などと応じつつ鳥越氏とのやりとりが白熱するなか小池氏が「これが選挙ですっ、坂上さん！」と坂上に向けて発したからだろう。

たった発言ひとつがそのような波紋を呼ぶ緊迫した選挙戦のなか、3候補も『バイキング』では比較的肩の力を抜いて本音を語ることができたのではないだろうか。
（TechinsightJapan編集部　真紀和泉）