桑田佳祐が自身のラジオ番組で、6月29日にリリースしたシングル『ヨシ子さん』がオリコンチャートで初登場で2位となったことについて「スタッフの、ファンの皆さまのおかげであります」と感謝、さらに7月27日発売の同曲アナログ盤をオンエアした。リスナーからもフライングで聴かせて欲しいと要望があったものの、祝福モードからか思わぬ展開となった。
7月16日にTBS系で放送された『音楽の日2016』にて、収録で『大河の一滴』と『ヨシ子さん』を披露した桑田佳祐。同日夜から生放送の『桑田佳祐のやさしい夜遊び』(JFN系列)には番組を見たリスナーから「『大河の一滴』だけならカッコいい!と終わるのに、『ヨシ子さん』のMCで桑田さん節が炸裂して大笑い」と感想が届いた。ミック・ジャガー(72)の恋人(29)の妊娠報道を知った桑田が「どうも、ミック・ジャガーです」「女房が出産を控えておりますので」と冗談を飛ばし、「それでは、ローリング・ストーンズで『黒くぬれ!』」と曲紹介したからだ。
折しもこの日の『夜遊び』は桑田が山下達郎のパクリ企画と自認する“アナログ盤棚からひとつかみ”であり、『ヨシ子さん』のアナログ盤もかける予定となっていた。他には山下達郎に敬意を表し『RIDE ON TIME』をはじめ桑田が自宅から持ち込んだレコードを目の前のターンテーブルで回して楽曲を流していく。『この胸のときめきを』(ダスティ・スプリングフィールド)や『あなたならどうする』(いしだあゆみ)、『リコンシダーベイビー』(フレディ・キング)に東海林太郎の『椰子の実』(作詞:島崎藤村 作曲:大中寅二)などバラエティ溢れるナンバーを紹介するなか、桑田が「オリコンで初登場2位にしていただきまして、本当に皆さんありがとうございました」と『ヨシ子さん』に触れた。
イギリス出身のロックバンド、ピンク・フロイドが1973年に発表したLP盤『狂気』(原題:The Dark Side of the Moon)から『タイム』に針を落とし「なかなか歌が始まらない」とボヤいたりしながらしばし聴いていると、「時間が押してきたということで…」と桑田が切り出して「7月27日発売の桑田佳祐で『ヨシ子さん』アナログ盤」を流し始めた。本日最大の目玉であろう初オンエアだ。ところが『ヨシ子さん』を数秒流したかと思うと、ピンク・フロイドの『タイム』がかかり、ふたつの曲がかぶり気味に行ったり来たりしながらのオンエアとなってしまった。桑田は「ピンクフローイドッ!」とハイテンションでその様子は『ヨシ子さん』2位を祝うかのようだ。
ただ、番組エンディングでは5月18日に亡くなったザ・ピーナッツの伊藤ユミさんや7月7日に83歳で他界した永六輔さんを追悼、「歌の中には愛があり希望があって、人々の幸せが描かれていた。心より感謝申し上げたい」と『上を向いて歩こう』(作詞:永六輔、作曲:中村八大、歌:坂本九)を「坂本九さんどうぞ」と紹介した。
新曲『ヨシ子さん』については音楽番組で披露するショッキングなパフォーマンスも影響してか、桑田ファンでさえ一部から「この歌は…」と引き気味な声が聞かれる。今回の“アナログ盤棚からひとつかみ”からも桑田佳祐の頭にありとあらゆる音楽が渦巻いていることが分かるように、無国籍サウンドと言われる『ヨシ子さん』は聴くほどに心地よく感じて脳内再生が止まらなくなる彼ならではの作品である。
出典:https://twitter.com/sasfannet
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)