マツコ・デラックスが冠番組で“卒業ソング”を特集した際に、好きな楽曲として斉藤由貴の『卒業』を挙げた。歌詞の内容が学生時代の卒業体験に近いという。また、それに対抗できるのは柏原芳恵の『春なのに』で「これは演歌よ!」と力説した。
2月23日放送の『マツコの知らない世界』(TBS系)で“マツコの知らない卒業ソングの世界”を取り上げた。そのなかで「時代を超えた名曲!昭和の卒業ソング」として『贈る言葉』(海援隊)、『制服』(松田聖子)など10数曲がピックアップされたなか、マツコは「好きなのは、やっぱり斉藤由貴さんかな」と彼女の『卒業』を選んだ。
「あれはね、全然感動的じゃないのよ」「相当、醒めた歌よ」「周りで卒業だとぎゃーぎゃー騒ぐ同級生を小バカにした歌」「すごい歌詞よね」と解説する。マツコ自身は「早く卒業したくて」卒業式では泣かなかったと語っており、この『卒業』の“涙はもっと哀しい時にとっておく”という気持ちが「自分に近かったのよね」という。
斉藤由貴の『卒業』は1985年にリリースされた彼女のデビューシングルでもある。“作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:武部聡志”というヒットメーカーによる作品で、マツコの心を掴んだ歌詞を手がけた松本隆はロックバンド・はっぴいえんどの元ドラマーとしても知られる。
22日に日本テレビ系で放送された『成功の遺伝史~日本が世界に誇る30人~ 3時間スペシャル』でその松本隆を取り上げていた。子どもの頃に読んだ宮沢賢治の影響でバンドをしながらも本ばかり読んでいた彼はある日、細野晴臣から「そんなに本が好きならば、詞を書いてみれば」と言われて作詞を始める。やがて作詞に没頭していくが、幼い頃から病弱だった妹が他界したショックで書けなくなってしまう。そんな彼に大瀧詠一が「書けるまで待つから」と作品を依頼し、書き上げたのが『君は天然色』だった。
松本は妹を亡くしてしばらくは、世間がモノクロームにしか見えなくなり「こんなことが本当にあるんだ」と自身の悲しみを噛み締めた。その経験が『君は天然色』に反映されている。ポップななかにちょっと寂しさを漂わせる彼ならではのフィーリングは『卒業』の歌詞にも表れており、マツコはそれを感じ取ったのだろう。
一方でマツコが「これは演歌よ!」と語気を強めたのが、柏原芳恵の『春なのに』だった。1983年にリリースされた彼女にとって14枚目となるシングルで、作詞・作曲を中島みゆきが手がけている。当時の柏原芳恵は17歳だ。マツコが「春なのには演歌よ! よしえちゃんが歌ってナンボ! その辺のピラピラしたアイドルじゃだめよ」というように、17歳とは思えない情感を込めた歌が胸に響く。さらには、スタジオに柏原本人が登場。「変わらない、よしえ! 綺麗!」とマツコも興奮していた。
現在、斉藤由貴は49歳となるが、女優として活躍するほか最近はauのCM『ドンドンドン得「親子」篇』に出演して話題となっている。また、柏原芳恵は1月16日に80’sアイドルの早見優、松本伊代とジョイントコンサートを行うなど活躍しており、4月27日にはカバーアルバム『encore3』(アンコール3)もリリース予定だ。
出典:https://www.instagram.com/yuyuhayami
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)