昭和から平成へ時代をまたぎ愛され続けた映画シリーズ『男はつらいよ』から20年。『東京家族』で共演したキャスト達が再び、山田洋次監督の喜劇最新作『家族はつらいよ』で家族の形を変えて集結した。19日、都内にて映画『家族はつらいよ』(2016年3月12日全国公開)に先立ち、完成報告会見及び舞台挨拶が行われた。山田洋次監督はじめ、橋爪功、吉行和子、妻夫木聡ら豪華キャストが勢揃いし、家族の再会で大賑わいとなった。
妻が欲しかった誕生日プレゼントは「離婚届」!? 一家に突然降りかかった、まさかの“熟年離婚騒動”に家族全員が大慌てする本作。熟年夫婦・橋爪功と吉行和子夫婦の長男・西村和彦、長女夫婦の林家正蔵と中嶋朋子、次男・妻夫木聡とその彼女・蒼井優が撮影後初めて顔を合わせ、互いに笑い、互いにツッコミ、映画そのものの“家族”の姿を見せた。
まず、山田洋次監督が「家族の皆さんにお会いできて幸せな気持ちです。一昨年の秋に出来上がった作品なんだけど、今こうしているとついこの間出来上がったようで、封切が迫った今、僕はとっても嬉しいです」と挨拶した。
本作ができるまでの経緯を「『東京家族』を作りながら、視点をずらすと別の物語が浮かびあがってくるなあ。この人達を少し別の角度から見るとそれぞれが滑稽に見えたりするようになるのではと思っていた。出演者と打ち解け気心がしれて、いいチームワーク、アンサンブルができたこの財産がこのまま分解して終わってしまうのはもったいない。これを喜劇(の家族)として作るのは可能なのではと思ったら、嬉しくなって急いで考えた」と語った山田監督。
『家族はつらいよ』は蒼井優の友人の話がモチーフになっていることも監督より明かされ、「“私のことを先生と呼んで”と蒼井が言っていた」「開いた口がふさがらなかった」と橋爪から暴露されると、みな大爆笑する場面もあった。
「今だから話せるエピソード」について、妻夫木は「本読みも衣装合わせもした夜10時頃、携帯が鳴って誰かと思い見たら“山田洋次監督”と出ていて。こんなにビックリする電話は和田アキ子さん以来、本当にビックリした」と笑いながら語った。
また、その電話で「君の役を変えようと思う」と山田監督に言われ、撮影中監督に「最後にショパンを弾いてみると面白いんだよね」との一言で妻夫木は「1か月半の猛練習によりショパンが弾けるようになった。いっぱいいっぱいでした本当に」と振り返り、「笑ってやって下さい、そんな僕を」と最後はとびきりの笑顔を見せた。
(TechinsightJapan編集部 斉藤智子)