現在、東京海洋大学客員准教授として教壇に立つさかなクンだが、学生時代の成績はお世辞にも良いとは言えなかった。小学校では、5段階評価で全教科オール2だったこともあるという。あまりの成績の悪さに教育熱心だった父親から叱責され、担任の先生からは「勉強をもっとさせた方が良いのでは…」と母親へ忠告があった。2人ともさかなクンが魚に夢中になるあまり、勉強が疎かになってしまっていることを心配していたのだ。しかし母は「魚が好き」という我が子の気持ちを何より大事にして、やりたいことを全力でサポートし続ける。
幼い頃から絵を描くのが大好きだった、さかなクン。幼児の頃はトラックばかりを夢中になって描いていたという。では、何がきっかけで“魚”に興味を持つようになったのだろうか。
12月18日放送のTBS系『中居正広の金曜日のスマたちへ』では、さかなクンを特集。彼の母親からその生い立ちについて、丁寧に書かれた何枚もの便箋がスタジオに届いていた。
小学校に入学してからのある日、さかなクンのノートに級友が“タコ”の絵をいたずら描きした。タコという生き物を知らなかったさかなクンはそのユニークな姿に興味を持ち、母に「タコの実物が見たいから買ってきて」と何度も頼むようになる。最初は丸ごと1匹のマダコではなく、大人の手のひらに収まるような小さなタコを購入して渡した。すると、さかなクンは「可愛いなぁ」とうっとりしながら虫眼鏡でタコを観察し、吸盤の数を数えながら一生懸命に描いていたという。その様子に母は「息子の好奇心を大切にしたい」と思い、一緒に鮮魚店に出かけてマダコを買うことに。だが、それ以来マダコを頻繁に購入したため、夕食のおかずはほぼ毎日タコが並ぶこととなり1か月間も続いたそうだ。
やがて母は「泳いでいる本物のタコを息子に見せてあげたい」と願い、一緒に水族館へ向かった。そこでさかなクンの目に飛び込んできたのは、色とりどりの無数の魚たち。特に気に入ったのは、大きな魚にぶつかっても小さなヒレで必死に泳いでいたハコフグだ。現在、さかなクンのトレードマークになっている、帽子のモデルである。
この日から頭の中が“魚”一色になった息子のために、母は珍しい魚を見つけては丸ごと1匹手に入れ「魚が好きなら徹底的に調べなさい」と彼の前に差し出した。魚のことを猛勉強する息子に、図鑑だけでなく本物を見せてあげたい。我が子への徹底的なサポートは中学生になっても続き、カブトガニを飼育するために海水を汲みに遠くまで一緒に出かけたこともある。この時の心境を母は「私にできることがあれば、少しでも手助けになれば、喜んで協力しようと思いました」と綴っている。
「一番大切なのは、好きなことを自由にやらせてあげること」というさかなクンの母。息子の魚への情熱を支え続けた母としての信念に、ネット上では「さかなクン凄いけどさかなクンの母もすごかった…」「成功の陰に母の支えあり」「母がいてこその天才」と大絶賛されている。
※画像は『さかなクン&プクプク Facebook』のスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 みやび)