カンニング竹山を主演に起用した、高齢者詐欺防止のミニドラマを政府広報オンラインがWEB限定で公開している。お笑い芸人として活躍する竹山だが、これまでも役者として出演した作品は少なくない。今回のWeb動画でも俳優・竹山の秀逸な演技力に「はっと」させられるのだ。
12月8日に『カンニング竹山(takeyama0330)ツイッター』で「ちょっとこれみてみ」と動画へのリンクを紹介している。「特集・毎日話せば詐欺は防げる。高齢者詐欺!」を呼びかけるWEB限定動画、『高齢者1人で詐欺を防ぐことは難しい。“オレオレ詐欺を防ぐのはオレだった”』というものだ。
「キレ芸」で一躍人気芸人となったカンニング竹山だが、俳優としてもドラマや映画に出演しており、キレキャラからお人よしな役柄までオールマイティに演じ分ける。2014年にはNHK連続テレビ小説『花子とアン』で地主の徳丸甚之介役を務め、小作人たちに恐れられる存在ながら世話焼きで憎めない地元の有力者を演じきった。
この動画“オレオレ詐欺を防ぐのはオレだった”では、竹山演じる息子が“オレオレ詐欺”に引っ掛かった母親を電話で厳しく注意する場面から始まる。薄暗い部屋でうなだれるように息子の説教を聞く母、やがて「年とったのかねぇ…」とその口から出た言葉に息子はハッとさせられる。もちろん母親役の女優の演技も素晴らしいが、お笑い芸人のイメージを背負いながらもこの空気を作り出せるカンニング竹山は流石だろう。
「オレオレ詐欺」が問題視されて久しい。「成りすまし詐欺」、「架空請求詐欺」、「融資保証金詐欺」、「還付金詐欺」など手口も複雑になるなか、2004年12月9日には警察庁が「振り込め詐欺」と統一名称を決めた。しかし、最近では「マイナンバー詐欺」の被害が聞かれたりと、名称で新たな手口を知るきっかけにもなる。
少し違ったケースではあるが、記者の“高齢者詐欺”体験について触れさせてもらおう。同居している母親に、一時期「送り付け詐欺」(送り付け商法)の電話が集中してかかってきた。高齢者が記憶が曖昧だったり、決断力が弱っていることに付け込んで「先日、ご注文いただいた商品が入荷したので、本日届けます」と数万円する栄養サプリメントなどを着払いで届けてくる。
記者の知らぬうちに母親がその電話に出て、2回にわたり数万円のサプリメントが届いており、代金も支払っていた。記者が気づいてからは「『注文した覚えが無い』と断るように」と注意していた。だが、再び似たような電話がかかってやりとりを聞いていると「最近、もの覚えが悪くなって」とハッキリせずに「じゃあ、送ってもらいましょうかねえ」とやり込められている。記者が電話を代わって「そのようなものは注文していない」と断っても「子どもでは話にならない、本人に確認せねば」と受け付けない。
その場は業者の電話番号を聞いて電話を切った。市の消費生活センターに相談したところ、センターからその業者に連絡が行き、別の業者からすでに受け取った商品についてもクーリングオフで返品することができた。その後も別の業者から「送り付け詐欺」と思われる電話がかかってきたが、全て電話番号を聞いて消費生活センターに対応を依頼した。(センター職員によると警察に相談しても良いそうだ)
その後しばらくして「送り付け商法」の業者摘発が報道されてからは、そうした電話は激減したが、それでも商品を変えてそれらしき電話が時々ある。お年寄りは労わるどころか狙われるのだと痛感したのであった。
カンニング竹山主演の“オレオレ詐欺を防ぐのはオレだった”は遠方で1人暮らしする母親の事例を描いているが、同居していても油断は禁物である。
『政府広報オンライン「毎日話せば詐欺は防げる。高齢者詐欺!」』(http://www.gov-online.go.jp/tokusyu/korei_syohisya/index.html)
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)