高橋みなみが12月8日のAKB48劇場オープン10周年を機にAKB48グループ総監督を退任して、横山由依に継承した。AKB48の第2章は2代目総監督の横山や彼女をサポートするベテランメンバーを中心に築かれていくのだろう。ただ、たかみなのAKB48ラストシングルとなった『唇にBe My Baby』では新たな波が感じられる。
今年の6月6日に開催された『第7回AKB48選抜総選挙』開票イベントにて、島崎遥香がスピーチのなかで「横山由依と一緒に、AKB48の第2章を作りたい」と決意を示した。“AKB48第2章”をハッキリと目標に掲げたのはそれが初めてではないだろうか。これまでも大島優子の卒業前に「ポスト大島は誰か?」「次世代エースは?」と話題になったが、高橋みなみの卒業はAKB48にとって歴史が変わるほどの事態であり、今度こそ“第2章”を意識せねばなるまい。
これまでの流れで見ると、『第7回AKB48選抜総選挙』の上位メンバーが中心となってグループを牽引していくのがパターンとなる。指原莉乃と山本彩の人気は高いものの、やはり2代目総監督となった横山由依やサポートを宣言した島崎遥香の奮起が期待される。次世代という意味では宮脇咲良(HKT48/AKB48)や柴田阿弥(SKE48)、武藤十夢(AKB48)、アンダーガールズの若手メンバーにも注目だ。
ところが、12月9日にリリースされた『唇にBe My Baby』の収録曲では違った傾向が見られる。たかみなのセンター曲でもある表題曲や、山本彩がセンターを務めるNHK連続テレビ小説『あさが来た』の主題歌『365日の紙飛行機』はTypeA~TypeD、劇場盤に全てに収められており、さらにタイプ別に『君を君を君を…』(次世代選抜)、『やさしい place』(チームA)、『マドンナの選択』(れなっち総選挙選抜)、『お姉さんの独り言 』(チームK)、『あまのじゃくバッタ』(チーム8)、『金の羽根を持つ人よ』(チームB)、『なんか、ちょっと、急に…』(チーム4)、『さっきまではアイスティー』(ユニット・虫かご)が収録される。
YouTube『AKB48公式チャンネル』にはそれら楽曲のプロモーションビデオがショートバージョンで公開されており、『唇にBe My Baby』と『365日の紙飛行機』は動画公開日が11月と早いこともあって視聴回数も80万回、90万回を超える人気だ。その後、12月4日に各チームによる楽曲のPVが公開されたが(『あまのじゃくバッタ』は11月23日)、12月15日現在で一番視聴回数が多いのは“れなっち総選挙選抜”メンバーによる『マドンナの選択』 である。“れなっち総選挙選抜”とは加藤玲奈が「トークアプリ755」で勝手に独断で選んだ16人で、秋元康や運営サイドの意見が反映されていないものだ。
ただ、秋元康が加藤玲奈のお遊びを実現させたのはそのメンバーが面白いと感じたからだろう。楽曲もヒット性のあるおしゃれでキャッチーなものとなっており、熱の入れようが伝わってくる。秋元は昨年から「加藤玲奈は今後の秘密兵器だね」と口にしていたが、今年の12月5日には『トークアプリ755 秋元康のトーク』にて「いい曲ができたね。ミュージックビデオも素敵です。れなっちも、もう、“秘密兵器”なんて言っていられない。頑張れ!」と激励している。
ここに“第2章”のヒントがありそうだ。れなっちのセンスはもちろんだが、それによって掘り出されたメンバーに注目したい。田中菜津美(HKT48)、松岡菜摘(HKT48)、白間美瑠(NMB48)、神志那結衣(HKT48)、村重杏奈(HKT48/NMB48)とAKB48以外の逸材も素晴らしいが、本家AKB48からもすでに人気の高い田野優花、大島涼花をはじめ、佐藤七海、茂木忍に光が当たった。“れなっち選抜”メンバーによるパフォーマンスがファンの目を引いたことは、従来の感覚で続けていても新たな“第2章”とはならないことを示しているのではないだろうか。
※画像は『田中菜津美(HKT48/SKE48)のトーク』のスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)