エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】3776(みななろ)をアーティストらも絶賛。“わが街のAKB”発のアイドルが進化!

富士山ご当地アイドル・3776(みななろ)が10月28日にアルバム『3776を聴かない理由があるとすれば』をリリース、来年の1月には第2弾ワンマンライブが決定と活気づいてきた。ミュージシャンや演出家として知られるケラリーノ・サンドロヴィッチやバンド・ロマンポルシェ。のメンバーなどアーティストが3776を高く評価しており、新しいアイドルの形として期待が高まる。

ヒップホップユニット・キエるマキュウのillicit tsuboiは、3776の新作を「音、内容、歌、コンセプト、ジャケット全部完璧」と絶賛しており、Perfumeのオリジナル1stアルバム『GAME』以来の衝撃とたとえた。また、ロマンポルシェ。のボーカル・掟ポルシェも3776のファンで、YouTubeのアルバムCM動画にも顔を出すほどだ。

乃木坂46の生駒里奈らが出演、10月に上演された舞台『すべての犬は天国へ行く』の脚本を手がけたケラリーノ・サンドロヴィッチはバンド・有頂天をはじめミュージシャンとしても活動する。彼もまた10月31日に『ケラリーノ・サンドロヴィッチ(kerasand)ツイッター』で「アイドルは今、音楽的にはなんでもアリで、現代音楽だろうがノイズだろうが吸収してしまうのは面白い。3776にはナゴム魂を感じる」と評した。

“ナゴム”とはケラ(ケラリーノ・サンドロヴィッチ)が主宰者となるインディーズレコードレーベル・ナゴムレコードのことで、1980年代に個性的なバンドを積極的に取り上げた。自身のバンド・有頂天をはじめ筋肉少女帯や人生(電気グルーヴの前身、石野卓球・ピエール瀧が所属した)、たま(『さよなら人類』でブレイクする前から所属)、ばちかぶり(田口トモロヲが所属)などを輩出したが、1991年の「ナゴム閉社宣言」により活動を終える。ケラがその“ナゴム魂”を感じる3776とはいったいどのようなアイドルグループなのか。

2012年に富士宮市の市制70周年事業として行われた「わが街のAKB」オーディションの合格者で、ローカルアイドルグループ・TEAM MIIが結成された。楽曲の制作などを受け持ったプロデューサーの石田彰はAKB48のファンであり、グループ名にもNMB48のTEAM Mに継ぐ“TEAM MII”をつけた。地方公共団体の資本によることもあり、1年間限定の活動期間を終えるとグループを受け継ぐ形で3776が結成され、富士山が世界遺産に登録された2013年6月22日に楽曲と衣裳をオリジナルに一新して3776が正式デビューする。

ところがその後、次々とメンバーが脱退し2014年8月に「井出ちよの」によるソロユニットとしてスタート。1人だけのアイドルグループとして2015年7月11日に『3776の避難計画とワンマンライヴ!』を開催。3776初のシングルCDで震災復興応援ソングでもある『3.11』をリリースした。10月28日に前述のアルバム『3776を聴かない理由があるとすれば』をリリース。2016年1月16日にはワンマンライブ『3776ライブに行かない理由があるとすれば』の開催も決まっている。

プロデューサーの石田彰と友人のミュージシャン・RIOW ARAIは『RIOW ARAI – リョウアライ(riowarai)ツイッター』で石田プロデューサーについて、自身の音楽を追求するこだわりを持ち続けたことで「天才過ぎて潜伏期間が長くなってしまったものの、最近世の中に見つかり始めたようでよかったです」という。3776の楽曲には従来のアイドルとは一味違う何かを感じるが、特に震災復興応援ソング『3.11』と新作『3776を聴かない理由があるとすれば』は一際光るものがあり、Seasonを経る度に進化を遂げている。

AKB48グループや・ももいろクローバーZ、モーニング娘。’15をはじめRev. from DVLや私立恵比寿中学など数々のアイドルグループが乱立して戦国時代と呼ばれるが、ここのところブームも落ち着いてきた。そんななか新しい魅力を持つアイドルとして3776が新時代を切り開きそうな予感だ。

※画像は『富士山ご当地アイドル3776☆ちよの 3776chiyono Instagram』のスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)